30代も半ばにさしかかり、ますます魅力的な俳優・柄本佑さん(34)。現在、黒木華さんと漫画家夫婦役を演じる映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』が公開中です。

妻の佐和子(黒木)が不倫を題材にした作品を描き始め、その内容から自身の不倫が知られたのではないかと不安に陥り、さらにはその漫画の展開が、佐和子が自動車教習所の先生と恋に落ちる内容へと進んでいったことから、右往左往し始める夫の俊夫を愛らしく演じている柄本さんにインタビュー。

 本作についてはもちろん、ここ数年特に好調な柄本さんに、弟の時生さんが「兄ちゃんは自分の居場所を見つけた。羨ましい」と言っていたことへの感想などを聞きました。

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不倫しているのにどこか憎めない夫

――俊夫さんが抜群に可愛らしかったです。

柄本佑、愛らしい不倫夫役に。「しょうがねえなぁ、と思ってもらえたらと」
(画像=『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より、『女子SPA!』より引用)

柄本佑(以下、柄本)「ははは。堀江(貴大)監督に最初に言われたんです。映画が全部終わったとき、自分の行いによって確実に巻き起こしている事柄だし結果だけれど、お客さんが俊夫という男を、完全な悪人だという捉え方をせずに、『こんなヤツじゃしょうがねえなぁ』みたいな方向へ持っていきたいと。むしろ人間的な方向へ持っていきたいと。そこは少し意識していたと思います」

女性の強さが出ている作品

――セリフ以上に、表情が多弁に語っている作品ですね。

柄本佑、愛らしい不倫夫役に。「しょうがねえなぁ、と思ってもらえたらと」
(画像=『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より、『女子SPA!』より引用)

柄本「そうですね。目線のやりとりなんかは、かなり緻密に監督から言われました。それこそ中盤の重要なシーンで、夜に車を路肩に停めて『俊夫くんはじゃあ、本当に不倫してるってこと?』みたいに佐和ちゃんから言われるところも、何回も段取りをして、このセリフのときはあえて佐和子さんを見て、ここのセリフでは見ないとか。何回も試しました。いよいよここで目が合うとか、緻密にやってましたね。一見静かだけれど、対決のシーンなので。表情が多弁に見えたというのは、監督やカメラマンさんがそう見えるように撮ってくださったのだと思います」

――観る人によって感想も分かれそうです。特に女性と男性で。

柄本「この作品の佐和子さんは、ここというはっきりした場面があるわけではないけれど、ある種何かを決断したときの女性の強さみたいなものが出ていると思います。観ている方は勇気をもらえるというか、特に女性は、佐和子さんを観てすっきりするんじゃないですかね」