京都市は、世界文化遺産が多くあり世界的にも魅力が高い街として知られています。しかし2021年の夏には門川大作京都市長が「10年以内に財政が破綻しかねない」と発言し話題になりました。京都市はどんな理由で財政危機に陥っているのかでしょうか。

京都市が赤字になる原因1:観光客の激減

京都市は知名度がある魅力的な街です。アメリカの旅行専門誌である「コンデナスト・トラベラー」が2020年に行った調査では、アメリカを除いた「世界で最も魅力的な都市」として、京都が1位に選ばれました。

京都市では、2020年の東京オリンピックを見越してホテルの客室数増強などを行いましたが、コロナ禍により外国人観光客は99%も減少(2020年)。観光業は大きな打撃を受けています。

京都市が赤字になる原因2:少子化

京都市の人口は約140万人ですが、実はゆっくりと人口が減っています。日本の少子化とも関連していますが、2020年の1月から2021年の7月までで、日本の総人口が0.5%ずつ減少しているのに対し、京都市は1%と国平均よりも人口減少の割合が高くなっています。

また京都市では外国人観光客を受け入れるためのホテル建設、また外国人による不動産取得が多く見られました。これにより地価が高くなり、25~44歳の子育て世代が周辺自治体に転出する割合が増えてしまったのです。京都市によると、2035年には約130万人にまで人口が減ると推計されています。