子供が不登校になった?そもそも不登校の定義とは
そもそも、不登校ってどんな状態を指すのか、まず確認していきましょう。
文部科学省では、このように定義しています。
「不登校児童生徒」とは「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を 除いたもの」と定義しています。
不登校の子供はどのくらいいるの?
我が子が突然、学校に行きたくないと言い出せば、何が原因なのかと、どんな親だって、慌てふためくでしょう。ただ、不登校の子供が、年々増えているのは事実なのです。
ここでは、具体的なデータをご紹介し、決して不登校は、珍しいことではない。そして、多くの悩める親子がいることを、感じていただけたらと考えます。
まずは、文部科学省が平成30年に行った調査報告をご覧下さい。
全国にこんなにも不登校の子供がいるのかと、驚かれたかもしれません。しかも、調査報告を、詳しく見ていくと、不登校の子供は、5年連続で増加していることが分かり、もうすでに社会問題となっています。
子供の不登校の対応に悩み、原因は何だろうと途方にくれている親は多くいます。ただ、お伝えしたいのは、不登校の子供に対する、さまざまな対処方法が、もうすでに確立されている、研究されている、ということです。
あなたの子供にあった解決方法が、きっとどこかにあるはずです。決して真っ暗闇の中にいる訳ではない、と最初にお伝えしておきます。
不登校の6段階とは?
子供が何らかの原因で、学校に行きたくないと訴え、不登校になってしまう時期から、学校への登校が再開できるようになるまで、6段階のステップがあります。今、子供が不登校になり、悩んでいる親は、子供がどの段階に当てはまるのか、確認してみて下さい。
【不登校の6段階】1段階:予備期
朝、自分から起きようとしなくなる。テストなどの成績が下がっている。友達や先生への悪口が増えている。子供の様子が以前とどこか違う、そう感じるかもしれません。
ただ、親は一過性のものだと感じ、子供が不登校になるとは、想像していない時期でしょう。
【不登校の6段階】2段階:初期
予備期よりも、子供に大きな変化が現れて、その変化を親もはっきりと気づく時期です。
この時期になると、子供が朝、学校に行くことを嫌がるようになります。
「今日は学校休ませて」どうしても布団から出てこようとしない子供に向かって「早く学校に行きなさい!」と言っても、少しも動こうとしない。子供はとても眠そうだったり、頭が痛い、お腹が痛い、気分が悪いと訴えることもあるでしょう。結局、親が諦めて「明日はちゃんと行くのよ!」と言って休ませるのですが、結局、次の日も朝、起きようとしない。原因を聞いても、正直に言わないかもしれません。
もしかしたら、不登校になるのでは、と親が心配を感じる時期です。
【不登校の6段階】3段階:本格期
もう何日も学校に行っていない。そういう日が続いている時期です。親も、子供が不登校だと認める頃です。子供は、学校に行かずにすむようになり、嫌なことから逃れられて安心している状態です。それと同時に、学校を長く休むことへの罪悪感も感じ、心の中に、さまざまな葛藤を抱えています。休みたい原因をしっかり聞き出し、子供を安心させてあげることが大切です。
【不登校の6段階】4段階:安定期
今までの段階のなかで、一番悪い時期です。子供に、学校に行ってないことに対する抵抗感がなくなっている、と言えます。3段階では感じていた、葛藤がなくなり、不登校の自分を認めてしまっています。
【不登校の6段階】5段階:登校刺激時期
この時期に来るまでに、子供と親、先生、カウンセラーなど、さまざまな内容の話し合いが行われてきたでしょう。それが成果を結び、登校してみよう、と意欲が出てくる時期です。もう一度登校できるようになるまで、できることから、少しずつ始めて、学校と子供との距離を近づけていきます。
【不登校の6段階】6段階:経過観察期
登校を再開できるようになった時期です。ただ、不登校の期間が長期であればあるほど、学校になじむまでに、時間がかかります。いやなこともあるでしょう。そんな時、また子供は学校を休みたくなるかもしれません。この時期は、不登校の再発が心配される時期でもあります。
親はここに注目して。子供の不登校の兆候
あなたの子供は突然、不登校になったのでしょうか。おそらく、不登校になってしまうほど、強いストレスを、子供は以前から抱えていたのでしょう。原因は一つだけでなく、いくつもの原因が重なっているかもしれません。親はそれに気づけなかったかもしれませんし、子供も正直に話せなかったのかもしれません。
ここでは、見逃したくない、子供の不登校の兆候の例をあげていきます。この段階は、不登校の6段階のうち、2段階の初期に当たります。
思い当たるところはありませんか。
親に注目してほしい兆候➀友達、先生への悪口、学校への不満が増える
不満や愚痴が増えたと感じることはありませんか。学校でいろいろなストレスを抱えて、子供の心が疲弊している状況です。
友達とうまくいっていない、先生から厳しく指導された、学習意欲がないなど、学校を休みたい原因をしっかりと聞いてあげて下さい。
子供は、親に対して、助けてほしい、というサインを出しているのです。子供の言うことを批判せず、受け止めてあげるという対応が親に、求められています。
親に注目してほしい兆候②朝、起きられない
悩みを抱えていると、なかなか眠れず、夜中に目が覚めたりもします。また、朝なかなか起きられないといった症状も出るようになります。健康な体ですと、夜しっかりと寝れば、朝、スッキリとした気持ちで起きることができますが、強いストレスを子供が感じているならば、睡眠の質が悪くなっていて、朝、起きられなかったり、起きても体にだるさを感じていたりします。
子供の睡眠がどうなっているのか、ぜひ確認して下さい。この状態が長く続くと、うつ病などを発症してしまう原因ともなります。
親に注目してほしい兆候③学校を休みたがる
学校に行きたくないので、宿題をしない、明日の学校の用意などをしなくなります。また、目覚まし時計をセットする、ということもしなくなります。
今まで、自分で起きてきたのに、親が起こしに行くようになっていませんか。
それはもう、学校に行きたくないという、明らかなサインです。
また、夜しっかり眠れていないと、翌朝、学校に行く元気も出てきません。「学校を休ませて」という日も多くなるはずです。「今日だけ休ませて」と言うので、休ませたら、次の日も「今日は休ませて」と言い…。結局何日も連続して休む、ということになってしまうかもしれません
子供の不登校の原因は?
どんな原因で、子供が学校に行きたくないのか。子供からはっきりとした理由をまだ聞けていないかもしれませんが、主な原因をあげてみました。
あなたの子供に当てはまる原因はありますか。
不登校の原因➀人間関係のつまずき
小学校高学年から中学生、高校生にかけて、人間関係が複雑になってきます。小学校低学年のように、みんな仲良く、なんてもうできっこないですよね。学校中に、さまざまな人間関係が渦巻いています。学校は社会の縮図、よく言い当てた言葉です。
友達関係で言えば
・クラスになじめない
・自分の悪口を耳にしてしまった
・友達は、からかいのつもりでした行為なのに、あなたの子供はいじめだと感じた
など、さまざまでしょうが、本当の原因は、子供の話をよく聞かないと分かりません。
年齢が上がるにつれ、自分の子供がどんな友達を付き合っているのか、分からないこともあるでしょう。詳しく、じっくりと丁寧に子供の話を聞いてあげることが大切です。
親に話すことが恥ずかしい、格好悪いと感じて、子供が話したがらないときもあるのでしょう。そんなときは、一旦、切り上げましょう。改めて時間を作り、おやつでも食べながら話を聞いてはどうでしょう。外食をしながら、ということも有効です。雰囲気が変わると、話しやすくなることもあります。
学校に行きたくない原因を、落ち着いた雰囲気のなかで、たくさん聞いてあげることが大切です。そうすることで、今後の対応をじっくりと考えることができます。
不登校の原因②勉強のつまずき
小学生の授業を理解しないまま、中学校へ進学したため、または、中学生の内容を理解しないまま高校生になり、授業が分からなくなり、勉強がつまらないと感じてしまいます。これらも、不登校の原因になることもあります。
・先生に当てられて、答えたけれども、それが間違えていて、クラスメイトに笑われた
・テストの点数が毎回悪く、親に叱られるのが怖い
・グループでの発表、ディスカッションなど、自分の意見を言う授業が苦で仕方がない
勉強についていけないことで起きる、さまざまなストレスが心に積み重なり、不登校の原因になることがあります。
また、小学校では、いつもトップクラスで、頑張って勉強して有名中学に入ったのに、自分より優秀な生徒がたくさんいて、成績が振るわない。また、燃え尽き症候群といって、難関学校への合格を目標にしていたため、入学後に勉強意欲をなくしてしまい、学校に行きたくない原因となることもあります。
不登校の原因④病気が隠れているかも
朝、起きられない。昼まで寝ている。起きても元気がない。このような状態が2週間以上続いているのならば、病気が原因かもしれません。小児科や、心療内科に行き、専門家の診断を仰ぎましょう。病気でしたら、治すことが最優先になります。
最近では、子供のうつ病も珍しくはありません。もし、うつの症状があれば、親だけで対応
することはできません。
早めに病院へかかり、正しい対応をすることが、解決への近道になるはずです
一般社団法人 不登校支援センター 中学生のお子様をお持ちの親御さまへ
不登校の子を持つ親はどう対応すればいい?
不登校の子供を前に、親はどう対応したらいいのか、途方にくれるでしょう。
その上、子供が不登校で家にいるとなると、仕事を持つ母親は、仕事の調整にも頭を悩ますことになるでしょう。
子供が再び学校に行けるように導くには、親が、担任の先生やカウンセラーなど、周囲の力を借り、上手に対応していく必要があります。
子供がもう一度学校に行ってみようと感じるよう、サポートしてあげましょう。