「3組に1組が離婚している」と言われるほど、離婚率が高い日本。
それに伴い、シングルマザーの数も増えています。それなのに、貧困状態の家庭が多いのです。
今回は、
・シングルマザーの貧困率と、貧困によるダメージとは?
・シングルマザー家庭の貧困率が高い要因とは?
・今からでもできる貧困対策とは?
の3点から、日本のシングルマザーの事情について紐解いていきましょう。
シングルマザーの貧困率・貧困によるダメージとは?
•ひとり親世帯の55%が貧困状態
実は、そもそも日本の貧困率が約16%と高いことをご存知でしょうか?
日本の貧困線は、約122万円とされています。※貧困線は、収入から、税金と社会保険料等を引いた所得(可処分所得)を、世帯人数の平方根で割って算出する金額(「等価可処分所得」と呼ばれる)で決められます。
ひとり親世帯に限ってみると約55%が、平均的な生活水準と比較して所得が低い状態(相対的貧困)にあります。
つまり、シングルマザーの大半が貧困状態、と言えるのです。
•シングルマザーと子どもが受けるダメージとは?
食べるものにも困るほどの貧困ではないものの、子どもを塾や習い事に通わせるほどの余裕はなくなりがちです。
子どもの学力・才能を伸ばすために、学校教育以上の教育を受けさせることは難しく、医者や弁護士など義務教育だけでは知識が得られない職業に就くことが難しくなります。
そのため、子どもも貧困に陥る負の連鎖につながりやすい…と言われています。
また、周りの子どもがみんな持っているものを買ってあげる余裕がないこともあります。
それによって、仲間はずれやいじめ、心理的な疎外感、劣等感なども生まれやすくなる傾向があります。
シングルマザー家庭の貧困率が高い要因とは?
では、どうしてそのような貧困が生まれているのでしょうか?
•母親が働けない状態である
病気などで働けない状態のシングルマザーも多くいます。ただし、この場合は生活保護を受けるなどで対処できることもあります。
•収入が低いことが多い
働いているにもかかわらず、貧困から抜け出せない場合、収入が低いケースがあります。
2017年に総務省から発表された統計によると、全国でシングルマザーは123万世帯おり、就業率は81.8%。働いて得る収入平均は年間200万円程度とされています。
ただし、子育てと両立するために働ける時間が限られていたり、収入の低い仕事に就くしかないといった状況が考えられます。
結婚・出産を機に仕事を辞める女性は多くいますが、再就職したときに活かせる資格や経験を持っておらず、収入が低くなってしまいがちです。
また、原則ひとりで育児・仕事をするケースが多いため、子どもの病気や行事などの事情で仕事を休みづらい正社員をあえて選ぶことができない、という面もあるでしょう。
休み相談がしやすいパート・アルバイトという非正規雇用を選ぶ割合が多くなります。
•養育費がもらえていない
実際に養育費をもらっている割合は20%以下といわれています。
子どものための養育費であることも忘れてはいけないのですが、「どうせ少額だし、別れた夫といつまでも連絡を取りたくない」といった理由で請求していない例が多いようです。
今からできる2つの貧困対策
では、これからどのような対策をすれば貧困状態から抜け出せるでしょうか?
できるだけ無理なくできる、2つの対策をご紹介します。
対策1:収入を増やす
•自治体からもらえる補助金を請求する
児童扶養手当、児童手当、就学援助など、自治体からもらえる補助金をすべて調べて、請求しましょう。
これだけでもだいぶ楽になります。
自治体によって制度が異なるので、ご自身のお住まいの市区町村で調べてみてくださいね。
•ハローワークを利用する
仕事の収入を増やすために、ハローワークを利用する方もいます。
「自立支援教育運連給付金」や「高等職業訓練促進給付金」を利用して資格を取り、より高収入の仕事に就く人もいます。
また、マザーズハローワークを利用して、子育てに理解のある企業での正社員職を選ぶ方もいます。
求人サイト「しゅふJOB」も、”シングルマザー歓迎””子どもや家庭の事情でお休み相談可能”の条件で検索ができるので、多くの方に活用いただいています。
「シングルマザー歓迎」の企業のお仕事だけを検索する、という機能も設置しています。
•対策2:節約する
•各自治体の助成を調べて利用する
医療費、水道費、国民健康保険の軽減措置など、各自治体の助成を調べて利用しましょう。
住居に関して、シングルマザーの場合は公営住宅にかなり安い賃料で入居することができます。
また、JRの定期を割引きにしてもらえたりもします!
生活の基盤となる部分については、どうしても発生するお金です。これをかなり援助してもらえるのは活用して損がありません。
収入をできるだけ減らすことがなく、家計の節約につながります。
•生活を工夫する
多くのシングルマザーが実践している工夫をいくつかご紹介しましょう。
・子どものお下がりは遠慮なく親戚・友達からもらう。
・遊ぶ場所は、無料で利用できるところ(公園や、児童館など)を利用する。
・本は買わずに、図書館で借りてくる。
など、生活を工夫し、節約をする余地はたくさんあります。
パートで収入が安定するコツは?
休み相談がしやすいパート・アルバイトは、子どもの体調不良や学校行事にも対応できるので、収入が低くても子どもと過ごす時間を長くもちたいシンママにも安定した人気があります。
パートの場合、基本的に残業がないことが多いですし、シフトを組める職場も多いので、子どもの参観日などに合わせて調整がしやすいメリットがあります。
また、短時間で働くことができるので、子どもが体調を崩した時もすぐに迎えに行き易いといえるでしょう。
では、パートで働きながら、収入を安定させるためのコツはあるのでしょうか?
•小学校入学準備から自治体の支援制度も利用しよう
シングルマザーからよく聞こえる悩みのひとつに「子どもが入学するときのお金が足りるか心配」というものがあります。
小学校入学準備にはおよそ6万円、入学してから卒業までには200万円が必要といわれています。
できるだけ安く準備をしても、学校指定の体操服や制服がある場合はなかなかお金がかかるもの。
義務教育を全ての人が受けることができるように、自治体は入学準備金や就学援助制度といった制度を設けています。
入学準備のためには入学準備金、入学してから卒業までにかかるお金は就学援助制度を利用できます。
まとめ
シングルマザーはひとりで子どもにかかるお金や生活費を工面するので、貧困状態になりがちです。
ただ、周りからの支援と自分でできる工夫を駆使すれば、乗り切ることもステップアップすることもできます。
一人で抱え込むことなく、信頼できる人や機関に相談しましょう。シングルマザー仲間を作るのも心強いものです。
自分のため、子どものためにも、素敵な人生を歩みましょう!
提供・しゅふJOBナビ
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