全国に一人っ子ってどのくらいいるの?
まず、全国に一人っ子世帯はどのくらいなのか、お伝えしましょう。
平成30年国民生活基礎調査(第073表 児童のいる世帯数-平均児童数,児童数・市郡別)を参考にしていきます。
児童のいる世帯総数、11221千世帯に対して、子供一人の世帯は、5250千世帯なのに対して、子供が二人いる世帯数は、4523千世帯、三人は、1250千世帯、四人以上は198千世帯となっています。
また、2011年頃から、一人っ子世帯が増加しているとも言われています。
あなたの周りに一人っ子はいますか?
結果をご覧になって、どう感じましたか。意外に一人っ子って多いんだ、と感じられたかもしれません。有名人でいえば、芦田愛菜さん、マツコ・デラックスさん、堀江貴文さんなどが一人っ子です。
では、あなたの周りに一人っ子はどのくらいいますか。同じマンションに一人っ子を子育てしている人が何人もいる、という方から、自分の子供だけが一人っ子だ、という方も、いらっしゃるでしょう。
もし、一人っ子を子育てしている母親が多くいると、心強いかもしれませんね。逆に、周りに一人っ子が誰もいない。それとも、すごく少ないという母親は、肩身が狭い思いをしているかもしれません。
子供の数ってそんなに重要?そんな声も聞こえてきそうです。自分が納得していればそれでいいじゃない。それも正解です。
けれども、一人っ子ママには、自分が意識しなくとも、昔からある
「一人っ子は、わがまま」
「一人っ子は、かわいそう」
という、一人っ子の子育てへの偏見。このあるある、に悩まされることになるのです。
世間の一人っ子に対するイメージってどんなもの?
子育て中の、一人っ子ママが必ず直面する
「一人っ子は、わがまま」
「一人っ子は、かわいそう」
という、一人っ子あるある。
「あるある!」
「もううんざり…聞き飽きた」
という母親も多いでしょう。日本に古くからある、一人っ子の子育てに対する、あるある。これはもう偏見で、根拠のないものです。多くの大人の頭の中に、なんとなく、すり込まれている感覚、ではないでしょうか。
兄弟のいる子供は、決してわがままを言わず、いつもハッピーでしょうか。そんなこと、ありえないですよね。
子供の性格をひとくくりにして、決めるなんて、できないはずです。
兄弟のいる環境で育ってきた母親は、一人っ子の子育てをしてみて初めて、この偏見の根深さに気づいたという方もいるでしょう。また、母親自身も一人っ子で、こういう偏見を自らも経験してきたという方もいらっしゃるでしょう。
「一人しか産まなかった私がいけないの?」
「私って、そんなに子供に悪いことをしている?」
というような感覚に悩まされながら子育てをしている、一人っ子ママがいるのです。
どうして一人っ子を選んだの?
では、母親はなぜ一人っ子、を選んだのでしょうか。
夫婦により、子供の数はさまざま。子供を持たない選択をする夫婦もいれば、野球チームができそうなほどの子供がいる家庭もあります。
子供を一人と決めた家庭には、どのような理由があるのか、ご紹介していきましょう
仕事を続けたいから一人っ子
仕事を続けながらも、結婚をして、子供を持つ。男性ならば、スムーズにできることが、女性には、難しいことがたくさんあります。
一番の壁になるのが、妊娠適齢期でしょう。
日本産婦人科医会によると、女性の妊娠のしやすさは、32歳頃までは緩やかな下降線であるのに対して、35歳を過ぎると卵子が老化し始め、37歳を過ぎると、妊娠のしやすさが急激に下がると、報告されています。
適齢期ぎりぎりまで、仕事を続けて、出産を迎える女性がいます。
逆に、早めに出産を終えて、30代半ばからフルタイムで、仕事を再開させた。そういう母親もいます。
子供も欲しいし、仕事も続けて行きたい。
そう考えると、子供は一人で、と考える母親がいても不思議ではありませんし、女性のひとつの生き方として、尊重されるべきでしょう。
高齢出産だから一人っ子
仕事を続けたいから、という理由と似通っているところがありますが、20代、30代と仕事を一生懸命してきて、30代後半を迎えてから、結婚をしたという女性もたくさんいます。それも女性の生き方の一つです。そして、結婚後、子供が欲しいという願いも自然なものです。
中には、結婚後、すぐに不妊治療を始め、40歳前後で、待望の第一子に恵まれた、という方もいます。
本当は、もう一人欲しいけれども、年齢を考えると、また不妊治療を始めなくてはいけないし、妊娠できる確率は低い…。もう子供は一人でいい、と考える夫婦は多いでしょう。
経済的に難しいから一人っ子
文部科学省による 「平成30年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まで、すべて公立に通うと、149万0705円かかると、試算されています。また国立大学の費用も以前と比べると、値上がりしています。
今、急にお金がいるようになるわけではありませんが、賃金の上がらない、非正規雇用の多い時代です。夫の収入が不安定であったり、妻も子供が小さいとなかなか働きに出られないこともあるでしょう。さまざまな理由で、仕事に就けない一人っ子ママがいます。
それならば、お金がかかるのを承知で、生活費を切り詰めながら二人目を持つよりも、余裕を持って暮らしながら、一人っ子の子育てをしっかりしていきたい、という考えもあるでしょう。
経済的な理由から、一人っ子を選ぶ夫婦も珍しくはありません。
出産時のトラウマが原因で一人っ子
陣痛のあの痛みはもう二度と経験したくない。一人目が帝王切開だと、二人目も帝王切開になると言われて諦めた、という方もいらっしゃるでしょう。出産時のトラウマが心に残り、もう妊娠はしたくないと感じる女性もいます。
出産は、女性の体に多くの負担がかかります。自分の体と相談し、一人っ子の子育てに集中すると決めたとしても、理解できます。
夫婦の不仲が原因で一人っ子
第一子に恵まれたものの、夫が育児に協力的でないことから、不仲になってしまう夫婦もいます。
初めての子育ては、女性に大変な精神的、肉体的負担がかかります。そこで、夫が妻をどう支えるか、夫婦の愛情が試されると言っても過言ではありません。
夫が子供の面倒をみてくれない、家事を手伝ってくれない、夫だけが友達と遊びに行く。こんなことがあると、夫への愛情は冷めてしまい、二人目を産もうという気持ちがなくなってしまいます。
夫婦仲が冷めてしまい、一人っ子になってしまう。そういう現実もあります。
一人っ子ってこんな感じ!一人っ子あるある
一人っ子であることに、どんな理由であれ、授かった大切な子供。たっぷりの愛情を注いで、健やかに成長してほしいものです。
ただ、子育て中に、
「一人っ子だからなかぁ…」
「やっぱり寂しいのかしら?」
なんて思うこと、必ずありますよね。
ここからは、母親が「これって、一人っ子だからかなぁ…」と、子育て中に感じた体験談を、ご紹介していきます。
「他の一人っ子さんも、そうなのね」
「あるある!」
と感じて頂ければと思います。
【一人っ子あるある】誰とでも仲良くなれる!
私は、42歳の専業主婦。今、3歳の女の子の子育て中です。結婚は、33歳でしたのですが、なかなか子供に恵まれず、長年の治療の末に産まれたのが、長女です。自分がこうして子育てできることが、本当に幸せだと感じています。
主人の仕事に転勤があるので、周りに助けてくれる人はいません。日中は、近所の子育て支援センターで過ごしたり、公園で過ごしたりしています。
長女は、全く人見知りをしません。それどころか、どんどん輪の中に入っていくタイプ!
私が人見知りなせいか、誰に似たんだろうと思ってしまいます。
公園に行くと、知らないお子さんの後ろを追いかけてみたり、兄弟で遊んでいるところに割り込んでみたり(笑) とにかく、誰かと一緒に遊びたい!という気持ち全開です。こういう子供の性格って、一人っ子のあるある、でしょうか。兄弟がいない影響なんでしょうか。
なので、公園に行って、誰もいないときなどは、絶望的な気持ちになります(笑)。兄弟が居ない分、やっぱり誰かと関わりたいよね…と思ってしまい、胸が痛くなりますね、やっぱり。
でも、今日も、知らない人に手を振って、愛想を振りまいてきました(笑)お年寄りの方が話しかけてくれて、本当に嬉しそうな顔をしていました。
年齢的にも、もう一人っ子決定だよね、と主人とは話しています。心が揺れること…何度もあります!これって一人っ子ママのあるあるですよね。
けれども、やっぱりもう諦める時が来ているのかな、と自分に言い聞かせています。
誰にでもニコニコできて、みんなと関わりたいという気持ちが強い長女。これって長所だよ、って思っています。ずっとこのままで、誰かも愛される女の子に成長してほしいなぁと願っています。
【一人っ子あるある】どこまでもマイペース
小学校1年生の男の子を育てています。私は38歳、平日は、パート勤めをしています。主人は同じ歳で、深夜まで営業している居酒屋の従業員として働いています。仕事柄、家にいないことが多く、子育てにもあまり協力的でないこともあり、夫婦間の仲は冷めてしまっています。だから、もう二人目は考えられず、長男には申し訳ない、という気持ちも正直、あります。
先日、学校の個人面談がありました。先生から、もっと人と関わるようになれるといいですね、と言われてしまいました。あまりクラスメイトと関わらずに、本を読んでいたり、一人でブランコに乗っていたりするようです。
小さい時から、私と二人だけで過ごすことが多いせいか、誰にも邪魔されずに、自分のペースで生活できるので、そうなってしまったのかなぁ…と思っています。保育園でもその兆候はあったのですが、初めての子育てで、よく分からないまま、子育てをしていたような気がしています。一人っ子のお子さんあるある、なのでしょうか。
今日は、久しぶりに一緒に公園に行きました。偶然、そこでクラスメイトと出会い、一緒に楽しそうに、遊んでいるのを見つめていました。
普段、家の中は、私と主人だけ。学校で、いろんな人を関わりを持って、刺激を受けて、成長していってほしいなぁと思いました。私も、積極的に外に連れ出すなど、協力しないといけませんね。
【一人っ子あるある】ケンカが分からない…
私には、小学校2年生の女の子がいます。一人っ子です。私はテレビ局で正社員の仕事をしているのですが、どうしても仕事を辞めたくなくて。今、もう43歳なので、このまま一人っ子決定ですね。
まぁ、こう言えるまで、だいぶ迷いましたが…。
娘が保育園に通い始めた頃、こう聞いてきたことがあるんです。
「ケンカって、どうやってするの?」
それを聞いたときは、本当にドキッとしました。そうですよね、兄弟がいないとケンカが分からないですよね…。完全な、一人っ子あるある、だと思いました。
どうやら、誰かとおもちゃの取り合いになって、娘が泣いたそうなんです。そしたら先生が
「ケンカはやめようね」
と言ったらしいが、娘には、ケンカの意味が理解できなかったようです…。
けれども、保育園生活が長くなるにつれ、おもちゃの取り合いをはじめ、ケンカするのは、日常となり、今では、学校で、ケンカしてきます(笑)
一人っ子だから、人付き合いが苦手になるのかも、と心配したことがありましたが、杞憂でした。家庭で学べないことを、集団生活の中できちんと学んでくれています。学校で、いろいろともまれて、逆にたくましく成長しています!
【一人っ子あるある】習い事にお金をかけられる
私の子供は現在、10歳です。4歳からバレエ教室に通っています。
通っている教室は、宝塚音楽学校をめざすカリキュラムもあり、本格的なところです。
国内の有名バレエ団、ミュージカルなどで活躍している先輩もいます。
娘はいま、週3回のレッスンがあり、月謝は3万円。発表会があれば、劇場を貸し切って行うので、10万~15万円かかります。
一人っ子の割合は多いと思います。レッスンに来れば、友達がたくさんいるので、毎回、楽しく学べているようです。また、母の会があるので、一人っ子ママさんと知り合いになれる機会もあって、
子育てのことなど、楽しくおしゃべりしています。
家でも毎日ストレッチをしたり、バレエ鑑賞をしたり。一人っ子だからって寂しがっている様子は、なさそうです。
一人っ子のメリットとは
兄弟がいないと、寂しく感じたり、けんかの経験が持てないなど、子育て面で、デメリットばかり強調される一人っ子の子育てですが、一人っ子であるメリットだってあります!
子育て中に一人っ子ママが感じるメリットをご紹介します。きっと、あるある、と共感して頂けるはずです。
しっかり面倒をみてあげられる
兄弟が多ければ、親が家にいても、目が届かない、ゆっくり話を聞いてあげられないことがあります。母親とじっくり話したいのに、下の子供の世話に忙しくて、話を聞いてもらえない、ということだってあるでしょう。これは、兄弟あるある、でしょうね。
けれども、一人っ子であれば、母親を独り占めできます。一人っ子ならば、親にも時間の余裕があるので、夜、ゆっくり子供の宿題を見たり、学校であったことなどを落ち着いて聞いてあげられるでしょう。
親子の信頼感が増すことで、子供の気持ちも安定したものになるはずです。
いろいろな経験をさせてあげられる
兄弟がいれば、習い事をいくつもすることは、難しいかもしれません。子供が習いたい、と言ったことを、やらせてあげられない、ということがあるかもしれません。
また、旅行に出るとしても、下の子供がまだ小さいと、遠出が難しいことがあります。海外旅行なんてとても無理、という家庭も多いでしょう。
けれども、一人っ子の場合は、移動が楽で、荷物も少なく、身軽に行動できます。小さいうちから、海外旅行に出かける家族もいます。どこかに行きたいと思えば、子供一人だと都合もつきやすいでしょう。
小さい頃から、家族でいろいろな経験ができるのも、メリットのひとつだと言えます。