女性管理職の比率が高い企業の事例

(写真=PIXTA)

厚生労働省が公開している『女性の活躍推進企業データベース』から、女性管理職割合の高い企業をランキング化し、注目事例をピックアップしました。社員の男女比がほぼ同じくらいの企業での管理職登用を見るため、女性正社員の割合が30~70%の企業のみを対象としています。

【事例1】サンライフ・クリエイション株式会社:残業削減を確実に進める

医療法人と社会福祉法人が上位を占める課長級女性割合の高い企業の中で、4位にランクインしている人材派遣と不動産販売サポートの企業が、サンライフ・クリエイション株式会社です。

同社は、女性活躍推進に関する行動計画を策定し、取組状況などが優良である企業が受ける「えるぼし」に認定されています。その行動計画の特徴は、時間外労働の削減を第一に掲げ、数値目標を設定して取り組んでいることです。

【事例2】キャド・キャム株式会社:子育てしながら昇進も可能に

女性社員の割合から役員級の管理職割合まで6割前後の高い比率を保つ、山形県鶴岡市の企業キャド・キャム株式会社。従来男性が多数を占めてきた建築設計の業界において、創業当時から女性が活躍してきた会社です。

その大きな特徴は、妊娠や出産がキャリアの妨げにならないこと。子どもの行事による欠勤や早退を自由に取れるほか、子連れ出社も可能であるなど、子育てしながらでも働きやすい環境を整備することで、子どもを持つ女性社員も業務やキャリアコースから離脱することなく、高いモチベーションで能力を伸ばしながら働くことができます。

キャリアから外されない環境整備が高い女性管理職割合を生む

前出の『働き方の男女不平等-理論と実証分析-』(著:山口一男氏)では、女性の活躍推進には、性別にかかわりなく社員の能力発揮に努める人事方針が重要であることも明らかにしています。平等な人事方針がない場合、家庭との両立を支える制度の充実は、キャリアコースから外される女性を多く生むなど、女性の活躍をかえって阻む結果を生むのです。それを踏まえて前述の2社の事例を見てみると、まさに女性であることを理由にキャリアから除外されることのない環境を整えている例と言っていいでしょう。

女性活躍のカギは「機会の平等」を実現すること

山口氏は、日本企業の女性人材活用は、制度上の制約や女性にとって不利な評価基準を使うことによって、実際のところ男女の「機会の平等」が達成されていないと指摘しています。日本の女性管理職割合の低さは、主に機会の平等に矛盾する多くの雇用慣行からもたらされる結果です。女性活躍のカギは、女性のための特別なコースを作ることではなく、男性も女性も同じように能力を発揮し、評価される環境を作るところにあるのです。

文・菊池とおこ/DAILY ANDS

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