仕事もプライベートも絶好調だった2015年のテイラー・スウィフト。このころは、彼女の快進撃が永遠につづくかと思われていたくらい。でも、人生ってそう甘くはないモノ。そう、テイラーの人生をゆるがす大スキャンダルの足音が、すこしずつ近づいてきていたの…。
“宿敵”カニエ・ウェストの再登場
テイラーとカルヴィン・ハリスの恋について語るまえに、まずはこの人の話をするわね。テイラーとヘンな腐れ縁がある人といえば、ラッパーのカニエ・ウェスト。そもそも2009年のMTV・ビデオ・ミュージック・アワード(MTV VMA)で、カニエがテイラーのマイクをうばったあの「事件」からふたりはずっと犬猿の仲だったワケ。
そんなふたりも、2015年ごろにはイベントで一緒に写真におさまるほどに関係が回復。アーティストとして、押しも押されもせぬスターになったテイラーと、彼女の実力を認めはじめたカニエ。機が熟したころに、共通の友人であり、ビヨンセの夫でもあるJay-Zが仲をとりもってくれて、ついに「友達」になれたみたい。
ところが、やっとのことで修復した関係にあっという間にヒビが入ってしまうの。コトの発端は2016年、カニエがマディソンスクエアで開催した、自身のブランド「Yeezy(イージー)」のショー。そこで、お披露目した新曲「Famous(フェイマス)」の歌詞に観客がクギヅケに。
I feel like me and Taylor might still have sex Why? I made that bitch famous
オレはテイラーといつかヤると思ってる
だって オレがあのビッチを有名にしてやったんだ
テイラーのことを「ビッチ」とよび蔑む(さげすむ)ような内容のこの歌詞。カニエ本人は「事前にテイラーに許可をとっているし、本人も歌詞を気に入ってくれている」と自信満々だったのね。
それにすぐさま反応したのが、テイラー。スポークスパーソンを通じて「カニエから許可を求められてなんていません。(中略)そんなひどい女性差別的な曲をリリースしないように警告しました。“オレがあのビッチを有名にしてやったんだ”なんて歌詞があるとはテイラーは知りませんでした」と反論するの。
2009年からつづく、テイラー・スウィフト vs カニエ・ウェストの「因縁(いんねん)の対決、第2章」がはじまった!とメディアもファンも興味津々に。ちょうどおなじころ2012年につづき、グラミー賞で二度目の「最優秀アルバム賞」を受賞したテイラー。そこでの受賞スピーチが、これまたすごく話題になったの。
「最優秀アルバム賞を2度受賞したはじめての女性アーテイストとして、ここにいるすべての若い女性にいいたいのです」と語りはじめたテイラー。そして「人生の中で、あなたの成功を低く見積もったり、あなたの名声を自分の手柄にしようとする人がいるでしょう(中略)でも自分のするべきことに集中していれば、いつか自分と自分を愛してくれる人のおかげでゴールにたどりつける、ということがわかるのです」
テイラーのこのスピーチ、名前はださずともだれについて語っているかは明らかよね。世間知らずの新米アーティストだった7年前とはちがい、ハリウッドの“女帝”にのぼりつめていたこのころのテイラー。カニエへの反撃の方法も、こんな風に洗練されたものになっていたってワケ。
美女友だちグループ「テイラー軍団」の仲間も、もちろんテイラーをサポート。テイラーの弟オースティンにいたっては、カニエのブランド「イージー」の靴をゴミ箱にすてる動画を公開して、姉テイラーの味方であることをアピール。
人望のあついテイラーの味方をする人はとても多くて、世間もテイラーよりだったこのころ。さすがに今回はカニエの負けだな、という雰囲気が漂っていたのは事実。でもね、テイラーは知らなかったの。カニエが一撃必殺の「奥の手」をもっているということをね…その話はまたあとでじっくり解説しちゃうよ。