もう2年、自分一人の時間がとれていない…

「妊娠中から、旦那さんが作った料理をSNSにアップしていて、仲が良いなあとは思っていました。まさか、育休まで取って家にいてくれて、週に2、3回も保育園に預けているとは思っていなくて。“よそはよそ”と思ってはいても、私に比べるとかなり恵まれた環境だなって思ってしまって」

 職場の制度や保育施設を利用するのは当然の権利。しかし香織さんは、友人の環境になんとなくモヤモヤしてしまいました。

「夫が一生懸命働いてくれるのはありがたいし、私の環境が恵まれてないとは言いませんけど……。お風呂だってゆっくり浸かることもできないし、子どもを産んでから2年間、ほとんど自分一人の自由な時間がなかったんです。

 だから、赤ちゃんを産んでからも好きな絵を描いたり、ご飯も作ってもらえるような友人が、つい羨ましくなってしまって。SNSを見ると家族で水族館に行ったり、家に花を飾ってみたり……。すごく優雅な生活に見えたんです」

 とはいっても、所詮SNS。日常のキラキラした部分だけを切り取って投稿している可能性もあるので、そこまで真に受ける必要もないと思いますが……。

思わず友人に八つ当たり…気まずい雰囲気に

 ある日、友人と子連れでランチができるキッズカフェで会ったそう。久しぶりのランチでは、お互いの子どもの写真を撮ったり、育児の悩みを話したりと和やかなムードでした。

「友人は、忙しくて毎晩寝るのは1時過ぎ。趣味でブログなどを書いているけれど、その時間が取れないのが悩みだって言ってました。ワンオペ育児の私からしたら、恵まれている境遇だからこそ出てくる悩みだって思いました。思わず『旦那さんがいるならラクでいいじゃない。それなのに1時まで何してるの? 』と言ってしまったんです。その後、気まずい雰囲気になりましたね」

 育児や家事の負担が多すぎるために辛いなら、夫と話し合うべきだったはず。しかし、感情に任せて思わず友人に八つ当たりしてしまいました。

夫が育休を取ったママ友に八つ当たり!ワンオペ育児がツラすぎて…
(画像=『女子SPA!』より引用)

「よその家庭のことに踏み込みすぎたと反省しました……。だけど、多分私のように育児の辛さとか、大変さを吐き出す場所がなくて、息が詰まってしまっているママは多いと思うんですよね。友人とのママ友関係はまだ続いているので、これを機に、自分の家と他の家庭は比べないようにしようと思いました」

 育児中は、つい辛い部分ばかり記憶に残りがちですが、子どもとの日々を楽しいものにできるよう心掛けたいですね。

―シリーズ「ご近所・ママ友とのトラブル」―

<取材・文/池守りぜね イラスト/zzz>