最近は、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で描かれた平匡さんのように、夫が育児休暇を取得したり、育児にも積極的に参加するのが珍しいことではなくなってきています。しかし、新たな価値観が生まれてくると、そこにはそれまで抱えてこなかった悩みや不満が起きるもの。
佐藤香織さん(仮名・34歳)は、もうすぐ2歳になる男児を育児中。専業主婦のため、保育園などには預けず、自宅で子どもの面倒を見ています。
コロナ禍でも出社する夫。育児はずっとワンオペ…
「結婚前まではスマホのアプリを開発している企業に、派遣社員として働いていました。妊娠がわかって、そのまま契約期間満了で仕事を辞めました。出産後は新しく仕事を探そうにも、息子がいるため就活もできず、たまに副業サイトで文章を書いたりするのですが、数千円くらいの収入しかならないんです」
そう語る香織さん。つきっきりで育児をしているのには、夫の忙しさも関係しています。
「夫はデータバンクと呼ばれる信用調査の企業に勤めています。機密情報などがあるから、データを持ち出せず、コロナ禍でも出社していました。だから、私はずっとワンオペ状態。夫は平日は子どもを風呂に入れたり、ご飯を食べさせたこともほとんどありません」
友人夫が育休取得、保育園の一時保育利用
香織さんにとっては、同じように育児をしているママと会うのが、息抜きだったそうです。
「昨年、同じ年の友人が子どもを産んだんです。結婚してから、なかなか子どもに恵まれず、やっと妊娠したようで、私も嬉しかったです。赤ちゃんが生まれて少ししてから、友人の家まで赤ちゃんを見に行ったんです」
「まず旦那さんが、育児休暇を取得していました。『職場では、今まで誰も取った人がいなかったけれど、事情を言って取って貰った』と言うんです。これだけでも驚いたのですが、友人は在宅でイラストを描いたりしていたのですが、絵を描く時間を捻出するために、一時保育で保育園に子どもを預けていました。もう、羨ましくて……」
家庭によって、育児や家事の分担は変わってくるはずですが、今はSNSなどで自ら育児について発信する人もいるため、どうしてもほかの家庭と比べてしまう傾向があるようです。
すると、思いもよらない話を聞くことになったと言います。