実は男性にとっても無縁とは言えない「更年期障害」。運動やコミュニケーションの不足、ストレスなどによって男性ホルモンが減少することが原因だという男性更年期障害。
前回の記事では妻の立場から「夫が男性更年期かも……」と感じている事例を紹介しました。今回は、実際に現在男性更年期障害を治療している男性に話を聞いていきたいと思います。
男性更年期だと分かってホッとした
「もともと男性更年期の存在は知っていたので、受診する前からある程度予想はしていました。でも、ただサボってるだけ、精神的に弱いとか自分が悪い、と自責がちになっていたのが、病気が原因と診断されたおかげでホッとしました」
そう語ってくれたのは、兵庫県明石市で整骨院を営む福家正輝さん(46歳)。ひどい苛立ちから家族にあたることが増え、やらなければいけない仕事も出来なくなったことや、寝付けず睡眠不足で体調を崩すことが増えてきたことをきっかけに、男性ホルモンの検査を決意したのだとか。
家族が自分の顔色をうかがっているのがわかる
「怒るようなことでもないのに怒ってしまうんです。些細なことに対してイライラする気持ちを抑えられず不機嫌が続いて、子どもに対してきつく怒ってしまうようになっていました。妻との軽いやり取りも口論に発展してしまい、家族が自分の顔色をうかがっているのがわかるんです。そんなイライラする自分に、自己嫌悪して余計に落ち込んでしまって……」
福家さんに男性更年期の症状が出始めたのは40歳ごろ。しかし、実際に検査を受けたのは約5年後。月日が経つ中で、自己嫌悪は深まっていってしまいました。
一人でいると涙が出てくることも
「仕事に関しても動き出しに時間がかかるようになりました。苦手な事務仕事を溜めこんでしまったり、ノロノロ、ダラダラとしてしまうんです。仕事をしないので関係先にも迷惑をかけていました」
自身への不甲斐なさから一人でいると涙が出てくることもあったという。
「ダメな自分が気になってずっと落ち込んでいました。一人でいると涙が出てきて、以前はできたのに今できないことに落ち込みました。落ち込む自分に対して更に落ち込んで、悪循環にハマっていましたね」