17世紀にはインドネシアにコーヒー農園を作り、ヨーロッパ最大のコーヒー供給国となったオランダ。

本記事では、古くからコーヒー文化が栄えた国オランダで、カフェ、レストラン、オフィス等に高品質のスペシャルティコーヒーを提供している『FRIEDHATS COFFEE ROASTERS』(フライドハッツ・コーヒーロースター)をご紹介します。

FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)のはじまり

オランダ・アムステルダム発のコーヒー焙煎所『FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)』をご紹介
(画像=Cafendより引用)

「FRIEDHATS COFFEE ROASTERS」(フライドハッツ・コーヒーロースター)の成り立ちについてご紹介します。

終わりから新たなはじまりへ

FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)は、オランダの首都アムステルダムのニーウェ・ヘム(Nieuwe Hemweg)に建つスペシャルティコーヒー専門の焙煎所です。2015年と2016年、2年連続でオランダ国内バリスタチャンピオンに輝いた経歴を持つLex Wenneker氏とDylan Sedgwick氏によって2016年に創業されました。

もともとアムステルダムで「Headfirst」というカフェを経営していたLex Wenneker氏でしたが、店を閉めざるを得なくなり、当時従業員として働いていたDylan Sedgwick氏と共に焙煎所を引き継ぐことになったのが、FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)のはじまりです。

世界中にファンを持つまでに成長

スペシャルティコーヒー専門の焙煎所として再出発したものの、事業を軌道に乗せることは難しく、最初の2年は苦労したといいます。彼らはオンラインで焙煎したコーヒー豆を販売するほか、約4万円で手に入れた古い移動販売車(キッチンカー)でフェスティバルに駆け付けては、コーヒーを販売していました。

そんなFRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)に転機が訪れたのは、2018年のこと。世界最高峰のバリスタを決定する競技大会「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)」で、チームとして第2位を獲得します。

オランダのコーヒー卸売業者「The Coffeevine」に対するインタビューの中で、Lex Wenneker氏は当時を振り返って、「時間だけはたっぷりあったからね。焙煎所の中を大会会場に見立てて、Dylanと一緒にトレーニングに励んだよ。」と述べています。その後、FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)の名はオランダ国内はおろか、広く世界中に知れ渡ることになりました。

FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)のこだわり

楽しむことを大切にするFRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)の創業者たちですが、一体どのようなこだわりがあるのでしょうか。

スペシャルティコーヒーをもっと身近なものに

最近では、仕入れるコーヒー豆の品質に気を配り、コーヒー豆を自家焙煎するカフェが増えました。しかし、レストランやバーなどでは、スペシャルティコーヒーが飲まれることはほとんどありません。FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)にとっての課題は、そのような場所にまでスペシャルティコーヒーを届けることです。

ニュージーランド出身のDylan Sedgwick氏がスペシャルティコーヒーの魅力に気づいたのは、ロンドンにあるコーヒー焙煎所で働いていたときのことでした。そこでブルーベリーのような味わいのするエチオピアのコーヒー生豆を味わい、スペシャルティコーヒーへの認識が変わったといいます。FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)は、ひとりでも多くの人にスペシャルティコーヒーの素晴らしさを知ってもらうために、おいしいコーヒーを提供し続けています。

取り扱う商品が少ない理由は?

FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)が取り扱う商品はけっして多くはなく、世界的に有名になった後でも商品の数はほとんど変わりません。創業当初は、コロンビアとケニアのスペシャルティコーヒーにこだわっていましたが、これは取り扱うコーヒーの種類が多すぎると専門性が薄れるからだそう。

同じくオランダで2002年に創業したBocca(ボッカ)は、エチオピアのスペシャルティコーヒーに特化した国内唯一のコーヒー焙煎所として有名になりました。それに倣った形のFRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)ですが、停滞気味であるアムステルダムのコーヒーシーンにおいて差別化を図ることは、生き残るために大切なことのようです。

現在はコロンビアとケニアに加え、ブラジルやエチオピア、グアテマラのスペシャルティコーヒーを焙煎して販売していますが、ほかの焙煎所に比べるとやはり商品数は少ないといえるでしょう。

ぜひ訪れてみたい『FRIEDHATS FUKU CAFÉ(フライドハッツ・フク・カフェ)』

2016年に創業したときには、焙煎の仕事に集中できなくなることを恐れて、コーヒー焙煎所にカフェを併設することは考えていなかったといいます。実際、ニーウェ・ヘム(Nieuwe Hemweg)にある焙煎所には、カフェを開けるほどのスペースはありませんでした。

しかし、2018年度のWBCで有名になったのをきっかけに、FRIEDHATS FUKU CAFÉ(フライドハッツ・フク・カフェ)を、アムステルダム国立美術館に近いエリアのボス・エン・ロンメル(Bos en Lommer)にオープンさせます。カフェを開いたことで、FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)のファンはさらに増えたようです。

カフェでは、FRIEDHATS COFFEE ROASTERS(フライドハッツ・コーヒーロースター)のコーヒーはもちろん、ケーキやピザ、自家製グラノーラやクロワッサン、そして世界中の醸造所からおいしいビールとワインを提供しています。