ライター&コラムニストとして活動しているharakoです。この連載では、「女性の働き方」のヒントになるような内容をお送りしています。第59回目は、交渉が苦手な人が意識したいことについてです。

なんだかいつも話がまとまらない……?

仕事を進める上で、打ち合わせや交渉は避けては通れない道です。しかし、相手の提示された内容にすべて「YES」を言ったら交渉がうまくいのか?と聞かれたらNOだと思います。というのも、私は過去かなりの「YESマン」でした。

「なんでもやります!」「やらせてください!」という意気込みが強かったので、自分にきたチャンスはすべて「YES」と言っていました。この経験から学んだことは、すべて「YES」と言っていると、だんだん“呑まれている感覚”に陥るということ。本当は、どこかで引っ掛かっている何かがあるのに、自分の意見を言ったら崩れてしまうのではないか?と「NO」を言うことができなかったのです。

または、逆もあります。自分の“こだわり”が強すぎて「こうでなければならない」を押し通していると、相手はだんだん苦しくなるでしょう。相手が「YES」と言っている間は良いですが、「今回は、見送りで…」と依頼者をチェンジすることもあります。

なぜこのようなことが起きるのか?を考えた結果、うまくいかない時は共通して「WIN-WIN」が成立していないことに気づいたのです。

どんな人でも、自分にメリットがないと動かない

まず理解したいのが、「どんな人でも自分にメリットがないと動かない」こと。

これは仕事だけではなく、恋愛も友達も同様です。“メリット”と聞くと、なんだか相手から何かを奪うイメージだったり下心を連想したりする方もいるかもしれませんが、人は自分にとって有益ではないことはテコでも動きません。自己中心的なのではなく、どんな人でも本音は自分のメリットのため、欲求を満たすためです。

〈例/きっかけ→欲求→行動〉
・お腹が空いた→雨が降っているから動きたくない→出前を注文する
・好きな趣味がある→気持ちを共有したい→趣味友だちと遊ぶ
・自分で仕事を始めた→集客をしたい→SNSで発信をする
・仕事で助けてもらった→感謝を伝えたい→手土産を持っていく

など、根本的な欲求を辿ると必ず自分のメリットがあります。そして、逆も同様に、相手のメリットをさかのぼって見つけましょう。もし、的確に相手のメリットを提示することができれば「助かります」「ありがたいです」と言う感謝を聞くことができますし、自分のメリットが解消できれば「嬉しい」「やりがい」などに繋がると思います。

メリットがない時はテコでも動かないですが、根本的な欲求が満たされれば自発的に行動し始めます。