雨を表現する言葉《季節》

雨を表現する美しい言の葉集。声に出したくなる、趣深い雨にまつわる日本語14選
(画像=pixabay.com Folkより引用)

さてここまでも何回か出てきたように、その季節ごとに雨を表現する言葉が数多くあります。春夏秋冬と、四季がはっきりとしている日本ならではですね。

そんな表現の中でも、雨と共にある日本の美しい景色に関する言葉や、悲しい伝説に基づいた言葉など、季節ごとの雨にまつわる言葉を5つピックアップしました。使ってみたくなるような美しい言葉ばかりなのでぜひ最後まで読んでくださいね。

新緑と雨の美しさ「緑雨」

「緑雨(りょくう)」は新緑の季節に降る雨のことです。今でいう5月頃のことなのですが、旧暦にあてはめると初夏なので夏の季語になります。みずみずしい草木の若葉に雨が降り、滴り落ちるような風景が目に浮かぶよう雨にまつわる言葉ですね。

同じような意味の言葉で「翠雨(すいう)」や「青葉雨(あおばあめ)」というものもあります。特に翠雨の方は、美しい黒髪に降る雨という意味もあるのですよ。とてもロマンチックな表現ですよね。

七夕伝説からきた「酒涙雨」

「酒涙雨」とは「さいるいう」と読み、7月7日の七夕の日に降る雨のことを意味する言葉です。七夕といえば、天の川に隔てられた織姫と彦星が1年に1回だけ会うことを許された日です。

そんな日に雨が降ってしまい、天の川の水かさが増えて会えなくなってしまった2人の流した涙が地上に雨となって降っているといわれています。あるいは再会できた2人の喜びの涙、また1年離れることを悲しんだ別れの涙と諸説あります。いずれにせよ、とても切ない雨ですよね。

暑い夏にうれしい「涼雨」

暑い季節、涼しさを運んでくれる雨、あるいは涼しさを感じるような雨のことを「涼雨(りょうう)」といいます。そのものずばりといった表現ですが、きれいな言葉です。確かに、夏の暑い日に雨が降ると、少し暑さが和らぐような感覚を覚えることはよくありますよね。

似た言葉で「冷雨(れいう)」というものがありますが、冷たい雨の中でも特に晩秋に降る雨を指すので、涼雨とはニュアンスが違います。間違って使わないようにしましょう。

ちょっと憂鬱な秋の長雨「秋霖」

ちょっとかっこいい言葉「秋霖(しゅうりん)」は、秋の初めに降る長い雨のことをいいます。「霖」という字自体が3日以上続くような長雨を示すので、それが秋と組み合わさってこのような意味になっています。同じような意味で「すすき梅雨」や「秋湿り」といった言葉もあります。

秋雨前線が停滞し、長い雨が降りやまなくて少しブルーな気分のときは「秋霖の候いかがお過ごしですか」なんてお友達に連絡をとってみてはいかがでしょうか。

春の訪れを感じさせる「雪解雨」

「雪解雨」は「ゆきげあめ」と読み、雪を溶かす長い冬の終わりの雨のことを意味する言葉です。「雪消し雨」というのも同じ意味です。雪が積もる地域ともなると、寒さも厳しいことでしょう。

そんな中でも、この雨が降れば暖かい春はもうすぐそこ、と昔の人が雨に待ち遠しい気持ちをこめていたことが感じられますよね。雨が降り積もった雪を溶かし、その下から芽吹く緑が見える、そんな美しい情景が思い浮かぶようなきれいな言葉です。

雨にまつわる美しい言葉まとめ

今回は雨にまつわる美しい日本語の言葉たちを14個ご紹介しました。

「空が泣いている」という趣深い表現や、雨と花々が合わさった美しい風景の言葉、切ない伝説にまつわる雨の言葉などさまざまなものがありました。大人の女性として、日常の会話やメッセージなどで使うと、印象に残るものになることでしょう。

雨になると憂鬱になりますが、そんなときにはこの美しい言葉たちを思い出してちょっと違う見方ができるようになれば幸甚です。

提供・Folk



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