出産費用は分娩費、入院費などを合わせると数十万円かかり、経済的な負担を心配するパパママも多いですよね。出産育児一時金は出産費用を大きく賄ってくれるので、もらえると安心です。出産育児一時金は、いつ、いくらもらえるのでしょうか。出産育児一時金の手続き方法についてもご紹介します。

監修者紹介

【FP監修】出産育児一時金とは? 対象条件や金額、申請方法は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

ファイナンシャルプランナー・証券外務員二種:鷲田昌平さん 兵庫県神戸市出身。高校時代は陸上競技に打ち込み、その後IT企業に入社。2007年~金融業界へ。これまでマネーセミナーの講師を140回務めるお金のプロ。3人のお子さんのパパでもあります。

出産育児一時金とは?

【FP監修】出産育児一時金とは? 対象条件や金額、申請方法は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

妊娠や出産は思いのほか大きな出費ですよね。出産育児一時金は、そんな妊娠や出産における費用の負担を軽減するための制度です。病院や出産時の状況によっては100万円以上かかることも珍しくないため、とても嬉しい制度ですね。

出産育児一時金は、退院時に窓口で一度全額支払い、その後申請手続きをして出産一時金を受け取る「産後支払制度」のほか、事前に申請することで退院時に差額のみを支払う「直接支払い制度」「受取代理制度」があります。

出産育児一時金の対象条件は?

出産育児一時金の受給対象条件は大きく2つあります。出産育児一時金の受給対象条件の1つ目は、健康保険に加入している人、または健康保険に加入している人の扶養家族です。出産後に仕事復帰を考えている人や妊娠を機に退職する人、専業主婦なども対象になります。

出産育児一時金の受給対象条件の2つ目は、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産をした人です。これは早産、流産、死産、人工妊娠中絶の場合にも適用されます。在胎週数が12週以上22週未満で出産した場合も出産育児一時金をもらうことができますが、妊娠4ヶ月以上で出産をした時にもらえる金額よりは少なくなります。

また、保険適応となる帝王切開で出産した場合も出産育児一時金の受給対象です。帝王切開は普通分娩よりも高額になることが多いですが、保険適用&出産育児一時金の利用ができると自己負担分は少なくなりますよ。

出産育児一時金でもらえる金額はいくら?

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子供1人につき42万円支給されるが、場合によっては減額することもある

健康保険には「社会保険」や「国民健康保険」などの種類がありますが、出産育児一時金の支給額はどの健康保険でも子供1人につき42万円、多胎児の場合は「42万円×子供の数」になります。ただし、産科医療補償制度に加入していない病院で出産した場合は、出産育児一時金が40万4000円に減額されるため、事前に病院に確認しておくと安心です。

また、在胎週数が12週以上22週未満に出産(早産、流産、死産、人工妊娠中絶の場合にも適用)した場合も出産育児一時金を受け取ることができますが、その場合の受け取り額は40万4000円となることも覚えておきましょう。

加入している健康保険組合によっては出産育児一時金に追加して付加金が支給されることもあります。健康保険組合によっては付加金ではなく「一部負担金払戻金」や「療養費付加金」と呼ばれることもあるので、ご自身の会社の福利厚生を確認してみましょう。

出産育児一時金の手続き方法は?

【FP監修】出産育児一時金とは? 対象条件や金額、申請方法は?
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出産育児一時金の手続き方法にはいくつか方法があります。それぞれ制度の仕組みや手順をみていきましょう。

直接支払い制度

直接支払い制度は、事前に手続きをしておくことで、健康保険側から病院に出産育児一時金が直接支払われます。パパママは、退院時に出産育児一時金の金額を超えた分のみを支払えば良いので、大金を持ち歩く必要がなく安心ですね。直接支払い制度は多くの病院が採用していますが、まれに導入されていない場合もあるため、事前に病院に確認しておくと良いでしょう。

直接支払制度の手続き方法は、病院で直接支払い制度に関する説明を受け、書類に必要事項を記入するだけなのでとても簡単です。病院で手続きした後は、病院が健康保険側に出産育児一時金を請求してくれます。ママがパパの扶養に入っている場合はパパの健康保険から出産育児一時金の支給を受けることができますが、手続きに必要な合意書にはパパの自筆署名が必要なので、里帰り出産でパパと離れてしまう場合は早めに確認し、手続きを行っておくと安心ですね。

受取代理制度

受取代理制度は、直接支払制度が利用できない助産院などの小さな医療機関で利用する制度です。受け取り代理人制度は、出産前に自身で申請書を記入し、医師の証明書を添付して健康保険側に申請することで、健康保険側が病院に出産育児一時金を支払ってくれます。

直接支払い制度よりも申請時に用意する書類が多いため少し手間がかかりますが、出産費用の合計金額が出産育児一時金より低かった場合、産後の忙しい時期に改めて差額請求の手続きをする必要がない点はメリットと言えるでしょう。

産後申請制度

産後申請制度とは、出産した病院を退院した後にパパママが健康保険に出産育児一時金の申請を行い、その後パパママが出産育児一時金を受け取る仕組みです。直接支払制度や受取代理制度とは違い、退院時はパパママが病院に出産費用の全額を病院に支払うことになります。クレジットカードが使用できる医療機関の場合はポイントを貯めることができるので、あえてこの方法を選ぶパパママもいるようです。

出産後はバタバタしているのですぐに申請をするのは少し大変ですが、出産育児一時金の申請期限は出産日から2年間なので、忘れずに申請するようにしましょう。