1袋766円は高い?コスパについて考えてみる
そしてもう一つ大事なのが、リピートする上で重要となる“コスパ”の点。3袋入っているので、単純に割り算をして、1袋766円です。
安い? 高い? いかがでしょうか。評判コメントを見ていると、“コスパが悪い”という声が目立ちますが、一概には断定できないので、食文化の研究をしながら、食の提案をしている立場として、考察してみたことを書いてみたいと思います。
例えば東京都内のオーガニック専門スーパーでサラダ用野菜を見てみると、ファミリーサイズの1袋が400~500円程度で購入できます。テイクアウトができるサラダ専門店の具だくさんサラダ(タンパク質食材、パスタ類、ドレッシングなどが付く)は、1人分で約1000円です。そんな中で、楽天ファームのコスパは果たしてどう感じますか?
単純に野菜の重量で価格を判断すれば、高いと感じる人はいると思います。しかしながら、必ずしも「値段=美味しさ」だけではないですよね。例えば、サステナビリティの視点で考えれば、有機農業が広まることは有意義ですし、楽天の場合は自社農業を確立しようとしている姿勢も含めて素晴らしいと感じます。
また、スーパーや産直売場などに行けない人々にとって、安全なオーガニック野菜を簡単に注文しやすくしてくれているという点では、確実に嬉しい選択肢のひとつになるでしょう。言わずもがな、金額はクール便の送料も含まれています。
野菜を食べる喜びや楽しさを感じられるか?
改善点や要望点を偉そうに書くつもりはまったくありませんが、一つだけ私が願うこととしては、野菜を食べる真摯な喜びや楽しさを感じられるか? という点です。
すぐに食べられるようになっているのは便利ですが、例えば根菜サラダを目の前においたとき、ビーツやにんじんの元の姿は一切わかりません。洗わないのも皮がついていないのも当たり前です。
葉野菜についても、いったいどの葉がどの野菜なのか、わからない人も少なくないと思います。もしかすると、魚で言う“骨取り魚”に近い状態です。このような食べ物を否定するわけでは決してありません。
サラダのように、元の形がわからない状態で、家庭用として食卓に提供するからには、食文化や食育、食のあり方を熟考した上で、野菜本来の魅力をセットにして伝えてくれたとしたら、楽天ファームのファンは増えるような気がします。生産者の誠実さはもちろんですが、消費者にとって楽しいアイディアや知恵を乗せてもらえたらなと、切に願います。
さあ、みなさんはどう思いますか? 自分が食べる野菜について、少しでも考えるきっかけになれば幸いです。
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<文・写真/食文化研究家 スギアカツキ> スギアカツキ 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
提供・女子SPA!
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