日本を訪れる外国人観光客が年間2000万人に迫る勢いの中で、社会人にとって避けては通れなくなりつつある英語でのコミュニケーション。「海外部門所属ではないので必要ない」と安心していた人も、これだけ街に外国人があふれる状況では、見て見ぬふりを決め込むのは不可能になりつつある。ビジネスで使える英語力を身に着けるにはどうしたらいいのか、お悩みの方も少なくないだろう。
そこで今回は、社会人になった後で英語に無縁だった人にもとっつきやすい英語学習本を5冊選んでみた。(価格は紙版、税込み)。
脳科学的英語学習法
『最強英語脳を作る』(茂木健一郎著、ベスト新書、842円)
日本を代表する脳科学者、茂木健一郎氏の最新書。英語といういかにも文系的な分野について、科学的見地から整然とした論理と鋭い切り口で、改めて英語学習に対する心構えを自問するよう問いかけている。
「いったいなぜ、われわれ日本人は英語を身につけなければならないのか。それは英語がもはや文化ではなく、文明だから」。
何人もの英語の専門家が必死になって論じてきた「英語を学ぶ必要性」を、明快な言葉で提示してくれいている。「いつかは英語を」と思いながらなかなか取り組めなかった人の方を押してくれる一冊である。
英語学習を科学するトレーニング法
『科学的トレーニングで英語は伸ばせる!』(田浦秀幸著、マイナビ新書、918円)
「また『科学』という言葉がでてきたな。それついてはもう、茂木氏がすでに説明してくれているのに。そもそも英語学習とトレーニングとの間に何の関係があるのだろう」などと思ったあなた、まずは本書に目を通して見てほしい。
ビジネスパーソンにとって英語というのは単なる「教養」や「学問」ではなく、仕事に役立てるための「スキル」である。したがって、毎日継続してトレーニングを行っていくことが必須で、その点ではスポーツとまったく同じということができる。オリンピックに出場するのに平日だけ練習する人はいないのと同じように、気が向いた日だけ英語を勉強しても上達しないのは当然だ。
本書では、「リピーティング」「シャドーイング」「ディクテーション」など、英語の上達に必要な万人向けの練習方法が具体的に説明されている。したがって、これまでただ英単語集を黙読したり、なんとなく英会話学校に通っていていっこうに成長が実感できない人にも、確かな上達への道筋を示してくれている。
大人の英語学習者のみならず、子供に英語を習わせたいと思っている親御さんにもおすすめできる本だ。
素朴な疑問を解決する英語の一問一答
『英語の質問ーそこが知りたい100のQ&A』(里中哲彦著、中公新書、799円)
英語を学習する上で生じる素朴な疑問に答えてくれる本。Q&A形式になっているので、英語への苦手意識が抜けない人でも読みやすいものになっている。
例えば、月の名前であるJuly(7月)とAugust(8月)の語源にまつわる話などはとても興味をひかれるものだし、友達との会話のなかでちょっとした雑学として披露したくなるものだ。
慣れない英語の勉強で頭が疲れた時など、ほっと一息つきながら気楽に目を通すことのできる本として、オススメだ。