鳥取市のシンボル的存在である久松山の麓に建つ、フレンチ型ルネッサンス様式を基調とした西洋館「仁風閣」。当時の職人さんの技術や工夫が結集された歴史ある大変貴重な建物で、国の重要文化財にも指定されています。今回は、素晴らしい建物の構造や装飾の他に、大ヒット映画『るろうに剣心』のロケ地としても楽しめる「仁風閣」の見どころについてご紹介していきます。
仁風閣とは?
鳥取城跡が残る久松山の麓、久松公園内に建つ、見事な洋風建築の建物「仁風閣(じんぷうかく)」。
1907年に第14代当主・池田仲博侯爵により、当時の皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)の山陰行啓時の宿泊施設として建てられた、池田家の別邸です。
「仁風閣」という名前は、この行啓に随行した元帥海軍大将・東郷平八郎によって命名されました。
フレンチ型ルネッサンス様式を基調とした建物で、白亜の木造瓦葺の外観や日本庭園の美しさが評価され、1973年に国の重要文化財に指定されています。
館内では、鳥取藩や池田家についての資料が展示されている他、当時の職人さん達の素晴らしい技術が結集された室内の構造や装飾を楽しむことができます。
また、池泉回遊式日本庭園の宝隆院庭園が一望できるバルコニーは、大ヒット映画『るろうに剣心』のロケ地としても有名です。
それでは、見学時に意識しておくとより楽しくなる、仁風閣の5つの見どころポイントについてご紹介していきます。
見どころポイントその1:仁風閣の外観を楽しもう!
久松山の麓に佇む仁風閣は、周囲の景色と調和し、外観も大変美しい建物です。
正面から観た仁風閣は、セグメンタルぺディメント(櫛形破風)の棟飾りを主要モチーフとした造りになっており、建物の至るところに巻軸模様を配しています。
寄棟造りの瓦屋根には、ルネッサンス様式によくみられるクラウン型の棟飾りと6つの煙突があり、円形の換気窓がちょっとしたアクセントとなっています。
さらに、ゴシック風の八角尖塔(階段室)が建物全体に安定感を与え、洋風の印象をより強く与えています。
また仁風閣は、裏手にまわって背面から観る姿も大変美しいです。
背面は、1・2階共にベランダが設けられており、庭園が一望できるようになっています。
庭園から眺める仁風閣も格別で、優雅で心和む景色を楽しめます。