丹羽宇一郎氏の言葉

元伊藤忠商事社長の丹羽宇一郎氏はさまざまな名言を述べているが、「商売とは、自分の人格を売買するほど大事なものだ」と語っている。商品だけでなく人格を売ることも重要であり商品が良くても売る側の品性や人格が悪くては信用されないし商売は成り立たないというのだ。

また商社マンはお客様に信頼されなければいけないと言うことから、「偽りを言ってはいけない」、「人のためになる仕事をしなければいけない」、「商売道」または「商人道」を通し信頼を得ながらも、最も精神力のいる仕事だとも述べている。

あるいはこんな言葉も述べている。商社を志す人間はマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読み資本主義の原点を学んでもらいたいと。そして、職業の倫理観、商売道の形成を歴史的に学問的に理解することから始めることだと言っている。

このような奥の深い言葉を理解し自分なりの血となり肉となりにするには、一長一短では出来るはずもなく、長いサラリーマン人生を経験しなければ得られるものではないし効率だけを追いかける成果数字作りだけで無理な領域でもある。

下積みは裏切らない

企業では新入社員の育成プログラムがあるので、新人研修といった教育制度で平等に業務知識を教え、全員で力を合わせて目標達成を目指そうというやり方がある。しかしそれとは訳が違うのが職人の世界だ。職人の仕事は、見て学ぶ必要もあるだろう。教えられて覚えるより自分なりの感覚をつかまなければいけない分野もある。

法律に背いたブラックな働き方はいけない。しかしビジネスで成功した人は誰もが、相当働いている。

『下積みは、あなたを裏切らない!』(マガジンハウス)という著書を持つ人材コンサルタントの常見陽平氏もインタビューで、「下積みこそが社会人としての基礎力をつける」としたうえで、残業代が支払われないなどの法律に背いたブラックな働き方と、激しく働くことは混同されがちだが、きちんと分けて議論しなければいけないと述べている。その上で、堀江氏についても、起業したばかりの頃は相当ハードに働いていたはずとしている。

下積みの大切さと効率の問題は、程度の問題でもあり、個別の事情にもよる部分が大きいが、自らの成長につながらない、働く目的の達成のためにならない働き方をしているなら、よくよく考え直したほうがいいだろう。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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