三浦半島の南端にある「三浦・岩礁のみち」をご存知ですか?釣り客も多い海沿いでありながら、なんとハイキングコースがあるんです。そしてその道は奇岩だらけ!まるでゴジラの背中のように道を歩いていきます!
スタートは京急・三浦海岸駅から
まずは最寄り駅にアクセス。今回ご紹介するコースでは、京急三浦海岸駅からスタートします。
駅前のバス乗り場の2番線から、「剱崎(つるぎざき)」行きのバスに乗車します。「剱崎」行きのバスは1時間に1本から3本と、本数は多くないので事前のチェックをお忘れなく!!
さて、バスにのんびり揺られながら20分ほどで「松輪」というバス停に到着。
さてさて、ここからすぐに海沿いの道にでるわけではありません。ここで今回の全貌をご紹介しましょう。
これが神奈川県にある三浦半島の全貌です。上の「三浦海岸駅」からバスに乗り、「松輪」バス停で下車しました。松輪バス停から海岸線まで少し距離があることが、おわかりいただけるかと思います。
岩礁のみちは三浦半島の南端に横たわる、比較的広範囲なエリアです。ということで、まずは海岸線に向かわなければいけませんが、「松輪バス停」の風景からおわかりいただけるように、周囲は畑や緑が豊かで、海岸線に続く気配はありません。
バス停からくまなく、いろんな方向をキョロキョロしてみると、ありました!案内が。
畑と道路の境目にある縁石に、ペタッとはりつけてありました。これは、目線の下にありすぎて気づかない人も多いかも。思わず笑ってしまう表示ですが、この表示にそって歩いていきましょう!
キャベツ畑を通過
案内表示から10メートルほど先には、コンビニエンスストアもあります。
なお、岩礁のみちに入ってしまうと、一般道から離れますので、飲料水、食べ物などの補給ポイントはありません。(一部一般道にでますが、自動販売機が数か所あるのみです)ですので、ここでしっかり飲み物、おやつ、ご飯など購入しておきましょう。
しばらくキャベツ畑に囲まれた道を歩いていきます。
ちなみに三浦半島はキャベツが有名。鮮やかな色と食感に優れた、早春~春キャベツに特化したエリア。寒い時期からキャベツが育つのは、三浦半島の気候が温暖なおかげなんです。
キャベツ畑の中を歩いていきますが、こんな風にちょこちょこ案内板が設置されているので、まず迷う心配はありません。
この案内板では、まずは「間口漁港へ」と書かれています。案内にそってキャベツ畑の道を歩いていくと・・・
間口漁港
こちらが間口漁港の入り口です。
青い看板の奥に、岩礁のみちの案内版もあります。ここまでしっかりルート表示されていると安心ですね。
さて、漁港に入っていくのですが、たまに「立入禁止」と書かれた看板があります。これは一般車両や関係者以外に対する警告で、岩礁のみちを歩くハイカーは含まれませんのでご安心を。その証拠に、「立入禁止」の奥に、岩礁のみちの案内である茶色い四角柱が建っています。
同じく、黄色で関係者以外立入禁止!とかかれた階段が登場。この先からが「岩礁のみち」です。階段を越えると・・・
テトラポットに囲まれた細い道があらわれました。こんな細い道をいくの・・・?と少々不安になりますが、10メートルほど歩けば、
これです!これ!この岩々しい景色が岩礁のみちの特徴なんです。
ちなみに、立入禁止に突入してしまったのでは?とご心配された方もいるかもしれません。大丈夫です。この岩々しい中に、茶色い案内板がしっかりと建っているのです。
剱崎
さて、目の前には灯台が見えてきました。これは剱崎灯台(つるぎさきとうだい)です。
こじんまりした灯台ですが、なかかの歴史をもつ灯台。なんと江戸時代に幕府が建設した灯台!1866年に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4か国と結んだ条約のなかで、灯台を作ることがもりこまれていたんです。現在のものは、関東大震災の後に再建された2代目です。
このあたりを歩いていると、小さな石碑を見つけます。
「剱崎」と彫られています。この辺り一帯を「剱崎」と呼ぶわけですが、なかなか面白い逸話があります。
江戸時代に、徳川幕府に献上する材木を積んだ船が、この近辺で難破してしまいました。そこで神社の神主さんが、神様の怒りを鎮めようと海へ剣を投げ入れます。すると、それまでの暴風は嘘のように静まり、難破して沈んでいた船は、そのまま浮かび上がってきて、無事に岸に運ばれました。剣を投げ入れたことに由来して、「剱崎」という地名となりました。
この辺りの景色はこんな感じで荒々しさ満載!昔の人が難破したこともわかる気がします。
一旦一般道へ
さて、荒々しい景色のなかに、たまに人工物があったりします。例えばこんな橋など、海沿いなので潮の満ち引きで通路が埋まってしまうようなところには、こういった橋がかけられています。
またもこのような荒々しい風景を、えっちらおっちらと歩いていくと、
今度の案内表示では「江奈湾(松輪海岸バス停へ)」という表示があります。ここから一旦一般道に出ます。
急に一般道に出ると、平らすぎる地面に足が慣れないのか、若干体がついていかないまま、ひたすら歩いていきます。ここからしばらく舗装路を歩くことになります。なお、一般道のあとまた海岸の道に戻りますが、コンビニ等はありませんので、やはり事前に準備しておくほうがいいでしょう。
江奈湾(えなわん)の干潟
しばらく歩くと、「江奈湾(えなわん)の干潟」の案内があります。干潟は遠浅の浜のことで、引き潮のときに海底が広くあらわれる箇所をいいます。
これから潮が満ちてくる時間で、手前の方では海底が露出しています。
白浜毘沙門天
この干潟をこえて、まだまだまだまだ一般道が続きますが、岩礁のみちとして設定されているルートの中では、この一般道が迷いやすいので、ちょっと細かくお伝えしていきましょう。
干潟をこえて真っ直ぐ歩いていくと、このような分岐があらわれます。
分岐の左側に案内板があり、あたかも左側の道(下り道)を進むように見えるのですが、実は案内板には「坂道を登る 白浜毘沙門天へ」と書いてあり、ここで道に迷う人も多いので要注意!
さて、坂道をややカーブしながら歩いていくと、石碑があらわれます。この石碑の横に案内板があります。
石碑側からだと見えないのですが、まわりこむと「白浜毘沙門天へ」と書かれています。とにかく「白浜毘沙門天」を目指しましょう。指示にしたがって畑の中の道を進みます。
もうここまで来たら難易度の高い分岐は終了!この分岐では、下り方面(緑がしげっているほう)へ進みます。
そしてようやく、ここが白浜毘沙門天です。
三浦の地での七福神のうちのひとつです。智恵と勇武の守り神としてあがめられています。