万年雪を頂き、悠々しくそびえる立山連峰を背に、満々と水をたたえる黒部ダムは、日本一の高さを誇るダム。多くの苦難と命を犠牲にして成し遂げられた「世紀の大事業」は、この地に立ち、初めて実感できることかもしれません。黒部ダムの絶景ポイントと共に、黒部ダムならではのご当地グルメ、ワンポイントアドバイスをご紹介します。

人間の英知の結集でやり遂げた大工事

戦後の日本経済復興期に生じた、膨大な電力需要のために始まった黒部ダム建設。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

延べ1,000万人の労力と7年の歳月が費やされた大工事は、昭和31年に関西電力が社運をかけて着工しました。着手は長野県大町側から。この工事の中で最も困難を極めたのが、大町トンネル工事中に遭遇した破砕帯。着工から2年後のことです。岩盤の中で岩が細かく割れ、軟弱な地層からは、毎秒660ℓもの水と土砂が噴出し続けたのです。

破砕帯と格闘すること7ヶ月。持てる知識と経験、人間の英知の結集で乗り越えた工事でした。この戦いの様子は小説『黒部の太陽』に描かれ、映画やテレビでも今日に伝えられています。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

着工から7年後、昭和38年6月に当時の工費513億円をかけた世紀の大事業が完成したのです。

お勧めルートとチケット購入

黒部ダムへのアクセスは、長野県側からと富山県側からの2か所ですが、黒部ダムだけを楽しむなら、長野県からのアクセスがお勧めです。ケーブルカーなどを乗り継がなければいけない富山県側からよりも、お金も時間も節約できます。黒部ダムに向かう長野の玄関口は扇沢駅。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

車の場合も、扇沢駐車場に車を停め、電気バスに乗車し黒部ダム駅に向かいます。ここで、重要なのが天気。黒部ダムより先へ進む場合はもちろん、ダムのみの観光でも、できればお天気の時に訪れたいもの。

始発から目的駅までチケットの一括購入は可能ですが、一括することによる割引などはないので、天気が不安な場合は、チケット売り場のライブカメラを確認して、1駅分ずつチケットを購入した方がよいでしょう(カード使用可)。山の天気は変わりやすいので、臨機応変に対応できるよう計画を立てましょう。

黒部ダム放水観光スポットは4箇所

まずは黒部ダム展望台から!

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

電気バスに乗り16分で黒部ダム駅に到着。駅を出て進むと分岐点があります。右は220段の階段を登って展望台へ続く道。左はダム連絡通路を5分ほど進みダムの堰堤へ続く道です。

ダムより先の大観峰や弥陀ヶ原を目指す場合は左へ進み、堰堤を通って、黒部湖駅からケーブルカーに乗るようになります。黒部ダム観光のみの場合は、右手に進み、展望台から周るルートがお勧めです。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

標高1,508mのダム展望台に出ると、雄大な景色が目の前に広がります。黒部峡谷に黒部湖、立山連峰、晴れていれば白馬連峰まで見渡せる黒部ダム随一のパノラマです。