篠原涼子の初舞台で主演・市村がアドバイス

 篠原涼子が女優として一皮むけたことは市村正親の影響が大きいと言っていい。ふたりの結婚のきっかけは2001年の舞台、巨匠・蜷川幸雄演出の「ハムレット」。市村が主人公のハムレット、篠原は初舞台で、ハムレットの恋人オフィーリアという大役に抜擢された。

 オフィーリアはハムレットを愛し過ぎるあまり精神バランスを崩してしまう。愛だけでなく家の問題などいろいろあるがきっかけはハムレットに「尼寺へ行け」と捨てられてしまうことである。それがトリガーになって深い悲しみの淵に落ちていく様子は俳優にとって演技の最大の見せどころ。

 数々の大舞台で主人公を演じてきた名優の市村、そして名演出家の蜷川幸雄の手助けによって篠原はみごとにやりきった。

 市村が悩む篠原にアドバイスした逸話はエモい。彼の著書に書かれたそれを読むとそりゃ市村を尊敬し愛情を覚えるのも無理ないなあと感じる。

市村正親「女優 篠原涼子の一ファンとして」に見る、俳優夫婦の“深い業”
(画像=『女子SPA!』より引用)

結婚後、“女優・篠原涼子”の快進撃

 こうして篠原涼子と市村正親は2005年に結婚した。そこから女優・篠原涼子の快進撃がはじまる。

 それまでの篠原は歌手(ミリオンセラー)やバラエティー番組に出ているタレントとしての印象が強く、ドラマなどにも出てもまだまだ二番手三番手という役割だった。それが一転、“女優・篠原涼子”になったが市村と24歳という大きな年の差結婚した前後からで、活躍には目覚ましいものがあった。

 自閉症の子供の母を演じた「光とともに~自閉症児を抱えて~」(04年)、アルコール依存症と闘う「溺れる人」(05年)、年下の部下(赤西仁)との恋を描いた「anego」(05年)、シングルマザーの刑事の活躍を描く「アンフェア」(06年)、敏腕派遣社員が社員顔負けの働きを見せる「ハケンの品格」(07年)と自閉症児の母、依存症、年の差恋愛、シンママ、派遣と女性の人生のハードルになりそうな部分を乗り越え、毅然と生きている女性を演じ共感と高視聴率を獲得した。

 05年には再び蜷川幸雄演出で「天保十二年のシェイクスピア」に出演しここでも重要な役を演じている。

市村正親「女優 篠原涼子の一ファンとして」に見る、俳優夫婦の“深い業”
(画像=『女子SPA!』より引用)

 『みんなの朝ドラ』などの著者で演劇・ドラマなどエンタメに詳しいライター木俣冬さんに読み解いてもらいました(以下、木俣さんの寄稿)。

市村正親「女優篠原涼子の一ファンとして」

 篠原涼子と市村正親との離婚報道で印象的だったのは市村正親のコメントである。丁寧に綴られた文章のなかの“そして同業だからこそ理解し合えること、また何より私も女優篠原涼子の一ファンとして、彼女がより一層女優として輝き、母としても生きていく道を歩ませたいという思いに至りました。”という一文。

 “女優篠原涼子の一ファンとして、彼女がより一層女優として輝き、”に赤線を引きたい。

 ふたりの子供の親権まで自分がもってまで篠原涼子を輝かせようとする。すばらしい心構えの市村正親が彼女のファンであると発言するのはこれがはじめてではない。2020年に出版された著書「役者ほど素敵な商売はない」のなかでも書いている。名優、名演出家との交流録の中に妻・篠原涼子のことも入れている。愛を感じたその一年半後に離婚を発表するわけだが……。

篠原涼子の初舞台で主演・市村がアドバイス

 篠原涼子が女優として一皮むけたことは市村正親の影響が大きいと言っていい。ふたりの結婚のきっかけは2001年の舞台、巨匠・蜷川幸雄演出の「ハムレット」。市村が主人公のハムレット、篠原は初舞台で、ハムレットの恋人オフィーリアという大役に抜擢された。

 オフィーリアはハムレットを愛し過ぎるあまり精神バランスを崩してしまう。愛だけでなく家の問題などいろいろあるがきっかけはハムレットに「尼寺へ行け」と捨てられてしまうことである。それがトリガーになって深い悲しみの淵に落ちていく様子は俳優にとって演技の最大の見せどころ。

 数々の大舞台で主人公を演じてきた名優の市村、そして名演出家の蜷川幸雄の手助けによって篠原はみごとにやりきった。

 市村が悩む篠原にアドバイスした逸話はエモい。彼の著書に書かれたそれを読むとそりゃ市村を尊敬し愛情を覚えるのも無理ないなあと感じる。

結婚後、“女優・篠原涼子”の快進撃

 こうして篠原涼子と市村正親は2005年に結婚した。そこから女優・篠原涼子の快進撃がはじまる。

 それまでの篠原は歌手(ミリオンセラー)やバラエティー番組に出ているタレントとしての印象が強く、ドラマなどにも出てもまだまだ二番手三番手という役割だった。それが一転、“女優・篠原涼子”になったが市村と24歳という大きな年の差結婚した前後からで、活躍には目覚ましいものがあった。

 自閉症の子供の母を演じた「光とともに~自閉症児を抱えて~」(04年)、アルコール依存症と闘う「溺れる人」(05年)、年下の部下(赤西仁)との恋を描いた「anego」(05年)、シングルマザーの刑事の活躍を描く「アンフェア」(06年)、敏腕派遣社員が社員顔負けの働きを見せる「ハケンの品格」(07年)と自閉症児の母、依存症、年の差恋愛、シンママ、派遣と女性の人生のハードルになりそうな部分を乗り越え、毅然と生きている女性を演じ共感と高視聴率を獲得した。

 05年には再び蜷川幸雄演出で「天保十二年のシェイクスピア」に出演しここでも重要な役を演じている。