「高齢化オリンピックがあったとしたら、日本は堂々金メダル!」。痛快な一言ではじまる『老いの福袋』。笑いたいけれど笑えない、いや、むしろ笑い飛ばしたい老いのリアルを赤裸々に語るのは樋口恵子さん。御年88歳にしてNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長他、複数の名だたる肩書きの持ち主です。

和式トイレで立ち上がれず大ピンチに!88歳女性が教えてくれた「“老い”付き合い」
(画像=『女子SPA!』より引用)

2025年には5人にひとりが75歳以上

 本書によると「日本の全人口に対する65歳以上の割合『高齢化率』は28.7%(2020年9月・総務省統計局の調査)」。なんと「2025年には国民の5人にひとりが75歳以上となり、国民の3割が65歳以上」というのです。かく言う私も2025年には55歳。自分や日本の将来に、漠然とした不安を抱えるのは私だけではないですよね。仕事は、お金は、そして健康は?人生100年、120年時代を生きる知恵を、本書から学びましょう。

和式トイレで立ち上がれなくなり大ピンチ

 女性はだいたい40歳を過ぎた頃から、些細な体調不良を感じるようになります。四十肩や老眼もそのひとつ。しかし高齢になると肩が上がりづらいどころの話ではありません。そう、トイレで用を足したあとに腰が上がらなくなるのです。

和式トイレで立ち上がれず大ピンチに!88歳女性が教えてくれた「“老い”付き合い」
(画像=『女子SPA!』より引用)

 冗談でしょ?と疑いましたが、70代半ばだった著者のれっきとした体験談。駅の和式トイレで下半身をさらした姿のまま立てなくなり、試行錯誤の末トイレットペーパーを床に敷き詰めて両手をつき、ガバッと立ち上がったのだとか。想像してみてください、自宅だったらまだしも(ひとり暮らしだったら危険かも)、公共施設内で同じことが起こったら。パンツを下ろしたまま誰かに発見されたり、救急車で運ばれたりetc。

 トイレで死闘を繰り広げた著者は、80代になってまたトイレで立てなくなってしまうのです。その時は娘さんに助けてもらったそうですが、一度ならず二度までも、嗚呼。特に女性は閉経を迎えると骨粗鬆症になりやすく、足腰のケアは必要不可欠。エクササイズや筋トレは、美容から健康へ、さらにアクシデントから身を護る護身術(?)へとシフトチェンジ。これが「老いるショック」への備えです。