恋も結婚も「期限」はないが、唯一あるのは「出産」だ。卵子凍結などもできるようになっているが、一般的にはまだまだハードルが高い。

 すでに40代に入ってしまった人は「今、このときが勝負」だと日々感じているようだ。

婚約者に裏切られて

「もう、とにかく時間がないんですよね。40代に入ってからずっとそう思って活動しているのに、なかなかうまくいかない。友人には焦りすぎだと言われています」

 タミコさん(43歳)にはかつて婚約者がいた。30歳で知り合ったものの、彼が5歳年下だったこともあって結婚は望まなかった。ところが彼女が35歳になったとき彼が婚約しようと言い出したのだ。

「当時はふたりとも仕事優先だったので『妊娠したら結婚しよう、それまでは婚約者ということで』と話し合ったんです。平日に必死に仕事をして週末はなるべく一緒に過ごすようにしていました。お互いの友人を交えて遊びに行ったり、ふたりで一泊旅行に出かけたり。一緒にいればいるほど好きになっていった」

 ところが3年たったとき、彼から思わぬ告白をされた。とある飲み会で羽目を外して一度だけ関係した女性から「妊娠した」と言われた、と。相手の女性は彼より6歳年下、タミコさんからみれば11歳下だった。

「彼は別れたくないと言ったけど、子どもに罪はないんだから、彼女とうまくやりなさいと送り出しました。しがみつきたくなかったんですよ。年上女のプライドかもしれません。

 ふたりは結婚しました。なぜか結婚のパーティに行ってしまったんですが(笑)、とても素直そうなかわいい女性だった。彼にはああいう人のほうが合うのかもと思いました」

「子どもがほしいんです」妊娠“期限”にあせる40代女性、婚活で迷走するわけ
(画像=『女子SPA!』より引用)

「そうだ、妊娠だ」

 一方で、「そうだ、妊娠だ」とタミコさんは目から鱗(うろこ)が落ちるような思いだった。38歳。仕事も落ち着いてきたし、今からがんばらなければと心新たにしたのだが、自分が感じている以上に彼を失ったショックは大きかった。

「それから1年くらいは気力も体力もなくて……。仕事にばかり打ち込んでいました。私生活が不安定なときは仕事がうまくいくんですよね、せつないけど」

 39歳の誕生日を過ぎたころ、ようやくこのままではいけない、婚活しようと自分を奮い立たせた。友人たちに「本気で結婚するから誰か紹介して」と言って回り、結婚相談所にも入会した。ごくごく普通の人でいい、優しい人なら何も望まないと決めていた。