イーロン・マスク(テスラ、スペースX)――電気自動車から太陽光発電、脳神経技術まで

テスラ、スペースX、ナチュラリンクなど、次々と新たな事業に乗りだすイーロン・マスク 氏は、野心あふれる現代の投資家の象徴的な存在だ。

テスラ以外の個人的な投資でこれまで最も入れ込んだのは、太陽光発電のソーラーシティだろう。2006年にカリフォルニアで設立されたソーラーシティに、マスク氏は2006~2015年にかけて5回も投資し、最終的には2016年、26億ドルでテスラの傘下に納めた。

マスク氏の主要な投資は2000年のペイパルから始まり、2004~2008年の間にテスラに7回、2006年にスペースX、2011年にストライプと狙いを定めた分野に集中している。

2014年にはAIスタートアップのヴァイケーリアス、2015年にはニューロテクノロジー(脳技術)を研究するニューロヴィジルにも投資している。

マーク・ザッカーバーグ(Facebook)――「寄付」と称した450億ドルの「投資」?

買収件数の多さで知られるフェイスブックは2007年、モジラの共同設立者ブレーク・ロス氏とジョー・へウィット氏が開発したウェブオペレーティングシステム「パラキー」を買収。

その後、「いいね!」ボタンの元祖であるフレンドフィード(2009年)、ソーシャルメディア・エージェンシー・ホットポテト(10年)、デジタル出版プラットフォームのプッシュ・ポップ・プレス(11年)、ワッツアップ(14年、)など、2017年までに37件の買収を行っている。

ザッカーバーグ氏自身はK-12(米国の幼稚園から高等学校まで)関連のスタートアップへの投資に熱心で、マサチューセッツの教育コンサルタント、パノラマ・エデュケーション(13年)や、公立学校に高速のブロードバンドの導入を目指す非営利団体エデュケーション・スーパーハイウェイ(15年)、コンピューターサイエンスの一般普及とコンピューター文盲の解消を目指す非営利団体コード・オーグ(Code.org/2016年)などのほか、イーロン・マスク氏が投資するのヴァイケーリアスにも、2014年、2回投資している。

ザッカーバーグ氏といえば2015年12月、娘の誕生にあたり妻プリシラ・チャンと保有する資産の99%を寄付すると発表して話題を呼んだ。その大部分はフェイスブック株で当時の評価額は450億ドルといわれていた。それほど巨額の資産を「寄付する」という美談で、世間のザッカーバーグ氏に対する好感度は急上昇することとなる。

しかしこの美談の裏で、「寄付ではなく単なるおいしい投資」という批判もある。ニューヨーク・タイムズ紙 はザッカーバーグ氏が声明を発表した直後、「夫妻が設立したのはゲイツ夫妻のような慈善団体ではなく、有限会社」と指摘している。

慈善団体はさまざまな規制や監視の元、毎年一定の割合の資産を慈善活動に支出することを義務づけられているのに対し、有限会社は営利企業への投資や政治献金、ロビー活動も認められている。また慈善活動への寄付により、税控除を受けられるという利点もある。

つまりザッカーバーグ夫妻は規制や義務にしばられることなく、自分たちの資産を自由自在に使えるだけではなく、節税も期待できるということだ。夫妻の真意は明らかになっていないもののこうした批判が本当であれば、「立派な投資」になるのだろう。

ティム・クック(Apple)――投資したことのある唯一のスタートアップとは?

アップルを通して、先進的な技術に精力的な投資戦略を繰りひろげるティム・クックCEO。さぞかし個人的にも投資に熱心なのかと思いきや、意外と関心が薄いようだ。公表されているかぎり、個人的な投資はたったの一件。しかもカリフォルニアの高級シャワーメーカー、ネビアと、先端テクノロジーとは縁が薄そうセクターだ。

ネビアは2014年に設立されたスタートアップで、2015年にプロダクト・クラウドファンディングとシードラウンドを行っている。クックCEOはマウンテンビューのベンチャーキャピタルYコンビネータや元GoogleのCEOエリック・シュミット氏、フィットビットの共同設立者兼会長ジェームズ・パーク氏、 米国の大手投資企業スターウッド・キャピタルのバリー・スタンリットCEO 兼会長などとともに、シードラウンドに参加した。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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