首相官邸(Prime Minister’s Office)
街の中心部にある首相官邸です。こちらの建物も屋根が朱色ですね。トンガ王国の国旗と合わせているようにも見受けられます。日本と同じように王室と政治は分かれていますが、トンガ王国では王室が政治に大きく関与します。
セイント・ジョージ・パレス
2015年にオープンしたばかりの、首相官邸、財務省、外務省など、政府の主要機関の入る新しい建物です。こちらのパレスが建設される以前は、戦没記念碑のある緑の多い公園で、街の中心部に位置するため市民の憩いとなっている場所でした。
しかし、中国の助成金(一帯一路)を使って整地し、建設が始まったため市民からの反発がかなり大きかったそうです。トンガ王国は対外債務がGDP(国内総生産)の4割超と高い水準なうえ、その過半が中国からとされており、これ以上の中国の干渉を危惧した市民らが奮起し、反政府運動まで起こりました。
しかし、建ってしまえば街のシンボル。人の出入りの多い建物です。
第二次世界大戦追悼碑(WWⅡ War Memorial Cenotaph)
1941年に始まった太平洋戦争では、トンガ王国は連合国の一員として参戦し、近隣のソロモン諸島を占領した日本と戦いました。また、第二次世界大戦ではニュージーランド、アメリカ軍の拠点となり多くの戦死者がでています。
これらの戦争は、直接の当事者ではない太平洋上の小さな島々まで影響を及ぼし、全く関係ないにも関わらず自国に犠牲者をだすなど、改めて戦争の無意味さを感じさせます。
フリー・チャーチ(Free Church of Tonga)
1885年に建設された歴史のある教会です。当時、トンガ王国の植民地化を図ろうとしたヨーロッパに対し、王国としての反対意見を暗に示すため建設され、これが功を奏したのか、トンガ王国はポリネシアで植民地化されなかった唯一の国となっています。
「自由なトンガの教会」と名付けられたこの教会ですが、筆者の訪ねた2020年2月には、屋根は剥がれ、ガラスの窓は全て割れ落ち、中はその瓦礫だらけで立入禁止となっていました。筆者訪問の2年前に直撃したサイクロン被害のようです。
王家の墓(Royal Tombs)
王制の長いトンガ王国の歴代王が眠っています。
フレンズ・カフェ(Friends Café)
街中のオシャレカフェです。観光案内所も併設しており、ちょっとした土産物も売っています。朝食からランチ、ディナーまで提供しており、朝は早くから夜遅くまでオープンしている便利で居心地のよいカフェです。
タラマフ・マーケット(Talamahu Market)
食糧品から生活雑貨まで、ありとあらゆるものが売られている街中のマーケットです。品揃えが多く土産物も充実しており、思わず手に取ってしまう珍しい物もあります。
道端の碑
上述したように、トンガ王国は対外債務の多い国です。実際、自力での公共インフラ建設が困難で、日本からトンガ王国へ寄付したインフラ敷設貢献の跡があちこちに刻まれています。
主に道路の敷設事業の寄付が多いようです。
可愛い鉢
歩いていると目につく鉢の可愛らしさ。公共の場から自宅の庭まで、この大きな鉢が良く使われています。
様々な形の教会
西暦1800年代初頭、ヨーロッパ人が盛んにトンガ王国へ出入りするようになり、1826年にキリスト教の宣教師が訪れると当時の王は洗礼を受け、キリスト教を広めるためにトンガ全体を聖戦というかたちで平定します。その際にキリスト教以外の国民を改宗させたため、現代に至ってはトンガ人のほとんどがキリスト教徒です。街には様々な形の教会がかなり多く点在しています。
青空眩しいトンガ王国は、マリンスポーツと無人島ツアーも盛ん
首都ヌクアロファのあるトンガタプ島は、海に囲まれた小さな島なのでマリンスポーツが盛んです。また、無人島行きのツアーも充実していますので、滞在中に行かれてみてはいかがでしょうか。他島へはヌクアロファの港からフェリーが出ています。
歴史的建造物をはじめ、美しい海とそこで獲れる新鮮な海の幸も美味しいトンガ王国。一日あれば主要な観光地の見学は十分。観光のほか、マリンスポーツを楽しんだり、ホテルでのんびり滞在もでき、観光客も少なく穏やかで充実した非日常を味わえるオススメの国です。
トンガ王国への行き方
日本からトンガ王国への直行便はありませんが、トンガ王国の玄関口ファアモツ国際空港へ、ニュージーランド航空、フィジー・エアウェイズ、ヴァージン・オーストラリアが、それぞれオークランド、ナンディ、シドニーから直行便を出しています。日本から上記三都市へは直行便がありますので、乗り換え一回でトンガ王国へ行くことができます。
因みに、ファアモツ国際空港はJICAを通じて日本が支援し建設された空港です。空港から首都ヌクアロファへ続く道も日本が提供しています。
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