勝つ投資家の意識と行動とは?

これに対し、株式投資において勝つ投資家は、どのような意識を持ち、どのような行動を行っているのかを紹介する。古今東西、様々な金融市場で成功してきた投資家のほとんどは、「投資で最も大切なものは資金管理だ」と言う。資金管理とは、カンタンにいえば、「どう利益を上げ、どう損をするか。」という、利益と損失の両方の管理のことだ。勝つ投資家は、最初から全ての売買で利益をあげることなどできないと理解している。売買を続ければ、利益の売買もあり、損失の売買もあるので、最終的に利益の合計を損失の合計よりも大きくしようという意識と行動を持っている。

例えば、株式の売買を3回行い、1回が利益で、2回が損失という結果に終わったとする。これでは、損失の回数が多いので、損をしていると思うかもしれない。しかし、1回の利益額が30万円で、2回の損失額がそれぞれ10万円だったとしたら、3回の売買が終わった後で、10万円の利益を上げていることになる。

これは、紛れもない勝ちだ。3回の売買のうちで2回損をしたということは、株価の予想が2回外れたことになり、予想を当てる確率は33.3%だ。しかし、結果を振り返ると、3回の売買の後に、資金を10万円増やしている。株価予想が外れても、株式投資で利益を上げることは可能なのだ。

損失を限定し利益を伸ばす、損小利大を目指せ!

あなたはこれまで、「株式投資では予想を当てることが大切だ」と思ってきたはずだ。しかし、ここまで解説したように、市場で利益を上げている投資家は、予想を当てることに意識を集中していない。売買の結果は、利益にも、損失にも終わることを理解しており、利益を大きく伸ばし、損失を小さく限定しようとしている。これは、「損小利大」と呼ばれる勝つ投資の鉄則であり、ここに投資で最も大切な資金管理が大きく影響している。

あなたは、将来の株価を100%の精度で予想することはできない。この事実は、あなたの株式投資には、必ず損失が巡ってくることを意味している。このことを理解すれば、「予想を当てる」という意識を、「損失を小さく抑え、利益を大きく伸ばす」という意識に変えることだろう。損小利大を目指し実現することが、株式投資の本当の成功なのだ。

文・松下 誠(まこと投資スクール株式会社 代表取締役)/ZUU online

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