ママ友とギクシャクしてしまう原因とは?
ママ友との関係は心強いけれど…
子どもが幼稚園や小学校に進むようになると、児童同士の人間関係だけでなく、同時に保護者間の人間関係も新しく始まります。その中でもママ友付き合いというのは、子どもの幼稚園生活を円滑に進める上で大切な関係であり、良くも悪くも特殊なものになりがちなのが特徴です。児童の保護者と付き合うようになるには、大半は幼稚園や小学校への入学がきっかけです。入園式や入学式、保護者会などで顔をあわせることも多くなり、保護者同士でネットワークを作っている人もかなり多いでしょう。
保護者の中でも、父親同士仲良くなる場合もありますが、特に結びつきが強くなるのが、ママ友と呼ばれる母親同士の人間関係です。日本では、子どもの育児は父親よりも母親に任されている家庭も多く、働いている父親に代わり、母親が保護者会などの集まりに参加します。そこで他の家庭の女性と接するようになり、母親同士のネットワークが作られていくのです。
ママ友関係というのは、子育てを始めたばかりで右も左も分からないという新米お母さんにとって、非常に心強い関係です。育児や夫婦生活で共感できる部分も多く、悩みを抱えている時には相談に乗ってもらったり、情報交換をして子育てをスムーズに行うこともできるようになります。その関係は幼稚園や小学校内に限らず、休日に一緒にお出かけしたりランチを食べにいったりと、プライベートの時間も過ごすことが多くなるのもママ友付き合いの特徴です。育児や旦那の愚痴など、共感できる部分がたくさんあるからこそ、結びつきが強くなるのですね。
人間関係が濃厚になるママ友付き合いは、確かに育児や夫婦生活で不安を抱えることも多い母親にとっては心強い関係でしょう。ただ、人間関係が濃くなるというのは決してプラスの面ばかりではありません。距離感が近くなるからこそ、様々な弊害も出てきやすいのです。
濃い人間関係に息苦しさを感じている人も多い
人間関係が濃くなるということは、お互いの距離感が近くなることであり、それは助けてもらいやすくなるというメリットがある反面、自分の領域に侵入されやすくなることでもあります。距離感が近いがために、制約や束縛も多くなり、それが原因で息苦しさを感じている母親というのは決して少なくはないのです。
ママ友同士の結びつきが強くなると具体的には何が起こるのかというと、1つがこちらのプライベートな問題への干渉です。夫婦生活の問題、子育ての問題といった家庭内の問題に土足で介入してくる人も、関係性が強くなると少なからず出てきてしまいます。いくらママ友同士といっても、抱えている家庭の問題は人それぞれです。相談にのるくらいなら全く構いませんが、その家庭の問題は最終的には当事者が解決するべきことであって、部外者が必要以上に口出しするべきではありません。距離感が近いといっても、ある程度はお互いの領域の線引きが必要です。
どうしてもママ友同士の結びつきが強くなってしまうと、お節介というか、頼られたいがために口出しをしてくる母親が出てきてしまうのです。そして、ママ友付き合いが厄介なところは、些細な行き違いで関係性が一度ギクシャクしてしまうと、大きなトラブルに発展しやすいというリスクを抱えていることです。
ママ友とのギクシャクが原因で、大きなトラブルに発展することも
濃い関係だからこそ、問題が尾を引きやすい
人間関係の結びつきが強くなり、距離感が近い濃い関係になるということは、決してプラスの面ばかりではありません。関係が濃くなるということは、言い換えると人間関係が停滞し、風通しが悪くなることでもあります。そして、狭いネットワークだからこそ、1度内部でママ友とギクシャクしてしまうと、それが後々まで尾を引いてしまい、禍根を残しやすいのです。些細なことが原因でギクシャクしてしまうと、風通しの悪い濃密なママ友関係の中の場合、小さな火種が燃え上がりやすく、大きなドラブルに発展しかねません。
逃げ場のない空間では、排斥としてママ友いじめが起きやすい
ママ友という閉じた関係の中では、1度トラブルを起こしてしまうと、大きなトラブルに発展しやすくなります。その1つとして、問題を起こしたメンバーを排斥しようとする「ママ友いじめ」というのが問題となっています。いじめが起きやすい人間関係として、閉塞感があり、逃げ場がない関係性の中で起きやすいと言われています。学校や会社でいじめが起こるのも、教室や職場という狭い空間の中で、不登校や退職という選択肢を選ばない限り、逃げ場がないためです。本来なら加害者からは離れればいいのですが、それができないからこそ耐えるしかなく、いじめもエスカレートしてしまうのです。
いじめが起こる原因は環境以外にも、特定の人間をスケープゴート、つまり共通の敵として大勢で叩き、メンバー間の結びつきを強めるという歪んだ考えのもとでも行われます。ママ友関係内のいじめが深刻化しやすいのも、ママ友ネットワークの狭い関係の中で行われ、子どもに迷惑をかけてはいけないと、その人間関係から抜けることが難しいためです。加えて、親密な関係だからこそ、ママ友集団の一体感が、トラブルを起こした人間を皆で一斉に叩くという、誤った方向に向かいやすくなってしまいます。