その他使えるアノマリー(月末の買い・小型株効果・優待取り)
ここまでご説明した季節要因がアノマリーとして最も重要なものだが、ここではその次に有名なものを3つほどご紹介する。
1.月末のお化粧買い
株価は月末、特に大引けにかけて上がる傾向があり、これをお化粧買い(ドレッシング買い)という。
ファンドの買い需要が発生するのが月末であるため、これに影響を受けていると思われる。またファンドが保有株の時価評価額を上げるために故意に買いを入れる場合も多々ある。そのため、株式市場が順調に上げている場合よりも、イベント不足で株価が低調な場合に、このアノマリーが発生する傾向があるようだ。市場関係者の間では通説となっている。
2.小型株効果
時価総額(株価の全体金額)が数十億円の小さな企業を小型株と言う。大型株への投資よりも、小型株への投資の方が全体的に見るとパフォーマンスは上がるようだ。例えばあるテーマで株価が上昇する場合には時価総額数兆円の銘柄より時価総額数十億から数百億円の関連銘柄の方がパフォーマンスは高くなる(ポケモンGO関連での上昇時でも任天堂よりサノヤスの方が株価の伸び率は大きい)
ただ、これには一つ注意点が必要だ。小型株全体のパフォーマンスは1つの銘柄の大きな伸びによって一気に上がるため結局は小型株の選別が何より重要になるということを忘れてはならない。
3.優待取りの値動き
すっかり有名になった株主優待にも特徴的なアノマリーがある。それは権利取りに向け株価が上がるというものだ。もちろん銘柄にもよるが、あからさまに権利取りに向けてあげている銘柄が最近でもいくつもある。
投資先銘柄にもし株主優待がついている場合には、権利日を調べた上でその銘柄の株価チャート(過去の月足が望ましい)を確認してみよう。意外と「今は買いじゃないな」とか「あと2か月後に買おう」などのようにタイミングを計れるようになるだろう。
アノマリーは株を売買する際の一つの投資指針となる。ぜひ覚えておこう。
文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online
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