子育てをしながら働く女性の環境を支援する企業が増えてきています。一方で、育児が落ち着いたらキャリアアップに打ち込むぞと思っても、人によっては子育てがひと段落するころには40代という現実も。40代でキャリアアップや転職を望むのは厳しいのでは、という不安にぶつかります。

40代ママの再就職は難しい?「応募は大胆に」とプロが語る理由
(画像=『女子SPA!』より引用)

そこで今回、転職支援でおなじみのリクルートエージェントに取材。40代の女性の転職市場について、キャリアアドバイザーの大鷲笑子さんに話を聞きました。

40代ママの転職はできる?

――子どもが小学校に入るなど、育児がひと段落してからキャリアアップを考えるとき、アラフォーだと転職は厳しいのでしょうか。

大鷲さん(以下、大鷲)「結論から言いますと、子育て後の40代であっても、転職は可能です」

――どういう人が、子育て後の転職に成功されていますか。

大鷲「職種にもよりますが、転職できるかできないかは、ご本人の覚悟によるところが大きいです。実際に40代で希望の企業に転職をされる方は、転職しなくてはいけない必然性をもっており、絶対に内定をもらうという強い意思を持たれています。逆に石橋を叩いて渡るといいますか、慎重に転職活動をすすめる方ですと、長期戦になることが多いです」

40代ママの再就職は難しい?「応募は大胆に」とプロが語る理由
(画像=『女子SPA!』より引用)

――慎重というのは、どのような点においてでしょうか。

大鷲「希望する条件でフィルターをかけすぎて、応募する段階までたどりつかないという点です。子育てがひと段落したといっても、お子さまが完全に手から離れているわけではないので、子育てをしながら働けるという条件は必要になると思います。そのため、『時短で働けるか』『リモートワークはOKか』『○時までに帰れる距離か』など、働く環境の条件を細かく見極める必要があるのですが、その条件を細かく設定しすぎて、仕事内容の見極めまでたどりつかない場合が多いんです」

「応募は大胆に、入社は慎重に」まずは企業との接点を

――条件は大事だけど、そればかり優先しても希望先は見つからないということですね。

大鷲「そうなります。もちろん、働く環境はとても大事ですし重要です。ですが、『時短OK』『リモートOK』という条件を、前面に出して求人募集をかけている企業ばかりではありません。まずは、自分の経験・力がいかせる仕事か、働きたいと思える企業かというところで気になる企業を探して、どんどんアプローチしていくほうが、希望の企業にめぐりあう確率も高くなります」

――とはいえ子どもがいると、環境や条件にこだわりたくなります。条件を広めに探しても、最終的には希望条件に合う企業が見つかるのでしょうか

大鷲「どんなに自分にマッチした仕事内容でも、環境が整わなければ働くことはできないので、そこはこだわる必要があります。ただ、私たちエージェントが、お客様の希望をお聞きして、代弁者となり企業にご希望をお伝えし、選考に進みながら条件の交渉や確認を進めてまいりますのでお任せいただきたいです」

40代ママの再就職は難しい?「応募は大胆に」とプロが語る理由
(画像=『女子SPA!』より引用)

――条件面はエージェントに任せた方が、選択肢が広がるということですね。

大鷲「『あと30分退社時間が早くないと、保育園のお迎えに間に合わない』という理由で、ご自身のキャリアに合いそうな企業に応募をしない方がいらっしゃいました。でも、まずは企業と接点を持たないと、細かい条件や環境の話もできません。お客様には『応募は大胆に、入社は慎重に』とよくお伝えしているのですが、面接後に企業と条件交渉することもできますし、条件があわない場合は内定を辞退しても大丈夫です。ですので、そこは一歩踏み出して企業探しをしてほしいと思います」

――細かいフィルターはかけすぎないほうがいいんですね。

大鷲「コロナ禍の影響で、リモートワーク・時短勤務・フレックス勤務など、柔軟な働き方をする企業は増えています。これは、一昔前と比べて、子育てをしている方にとっては追い風だと思います。ですので、転職する側としても、もう少し柔軟な気持ちで企業を探しても良いと思います」