一か所で三社を参拝した事になる羽黒山参拝に、気軽に高山トレッキングができる弥陀ヶ原、時代劇映画の撮影に人気のスタジオセディック見学。どれも時間と体力を必要とするハードコースと、お手軽コースが選択できます。オリジナルなスケジュールを組んでアウトドアを楽しみましょう。
最上級のパワースポット「羽黒山」
古来より信仰をあつめてきた出羽三山(でわさんざん)。江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」ともいわれ、伊勢神宮とともに人気のお参りスポットでした。羽黒山(はぐろさん)、月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)の三山をめぐることは、死と再生をたどる「生まれかわりの旅」といわれています。
羽黒山の長い参道には国宝の五重塔もあり、現在も山岳信仰の場として多くの参拝者が訪れます。
①羽黒山境内まで車で参拝するお手軽コース
羽黒山山頂の境内まで、バスや車で行く方法があります。バスの場合鶴岡市内から路線バスで約50分です。境内の駐車場からは、ほんの数分歩くだけで、羽黒山、月山、湯殿山の三神を祀る三神合祭殿に到着。一か所で三か所を参拝したことになるというありがたい神様です。
境内には、多くの末社に、重要文化財に指定されている鐘楼堂や鏡池の他、出羽三山の資料を集めた出羽三山歴史博物館など見どころもあります。移動に時間がかからない分、ゆっくり参拝や見学を楽しみたいですね。
②隋神門から徒歩で参拝する堪能コース
随神門(ずいしんもん)をくぐり、全長約1.7kmの表参道を歩く行程は、体力に自信のない方にとっては、とてもハードな参拝方法。ですが、樹齢300年~500年の杉並木は、ミシュランガイドで三ツ星に輝いているのも納得の素晴らしい参道で、心身ともに洗われるような清々しい気分が味わえます。
途中で見られる国宝の五重塔も、素朴な美しさに圧倒されます。スタートは階段の下りや、なだらかな道のりで楽勝かと思うのですが、一の坂、二の坂、三の坂と勾配がきつい2,446段の階段を登る道のりは、まさに苦行の域ともいえます。
写真撮影や、休みながらゆっくり登って、片道約1時間半ほどです。徒歩で往復しても良いですし、隋神門と羽黒山山頂間には、路線バスも走っているので、体力に応じて往復のどちらかをバスに乗車してもよいでしょう。こちらのルートは履きなれた靴がおすすめです。
天空の湿原「月山弥陀ヶ原湿原」
弥陀ヶ原(みだがはら)と聞くと、立山黒部アルペンルートを思い浮かべる方も多いかと思いますが、今回ご紹介するのは出羽三山の一つ、月山の八合目に位置する湿原です。標高1,400m付近のなだらかな湿原では、湿原を彩る大小様々な池・池塘(ちとう)が見られることでも有名です。
また、6~7月には100種類以上もの可憐な高山植物が咲き競います。9月下旬に湿原が赤や黄色に染まる草紅葉(くさもみじ)も美しいと評判です。
車で向かう場合、道路は八合目駐車場まで全て舗装されていますが、道幅が狭くカーブも多いので、運転には十分気を付けてください。鶴岡駅前から路線バスで向かう場合は、月山八合目まで片道約1時間です。
③月山弥陀ヶ原を気楽にハイキング
月山を楽しむコースはいくつかありますが、気軽に散策できるのが、弥陀ヶ原湿原に整備された、木道を一周するコース。月山八合目の駐車場からスタートし、途中、中ノ宮・御田原(みだはら)神社を参拝しながら湿原を一周します。時間にして1時間ほど。ほとんどなだらかなコースなので、小さなお子様でも無理なく楽しめます。
弥陀ヶ原へ行く際の準備としては、岩場などもあるので、スニーカーやトレッキングシューズなどがおすすめですし、天気が変わりやすいので雨具の準備もお忘れなく。神社隣の御田原参籠(さんろう)所では、宿泊や食事をとることもできます。
④月山山頂まで本気で登山
月山弥陀ヶ原を散策するのは、先に記したコースの中ノ宮参拝までは同じですが、神社から山頂をめざすハードなコースがこちら。ここから、山頂本社までは、4.6㎞の参道が続きます。
八合目駐車場からは、片道3時間弱。晴れていれば朝日連峰や鳥海(ちょうかい)山を望める絶景が広がります。岩場の登山道なので、トレッキングシューズはもちろん、防寒具などの登山装備も必要です。