逆張りと順張りの違いとは?

逆張りと順張りという2つの投資手法は、上記のトレンドの重要な2つの性質を確認する時、明確なターゲットを見出すことの投資戦略である。

逆張りとは、下落トレンドが形成された際に、そのトレンドの終末において、投資家の集団心理がパニックなどにより行き過ぎを形成し、理論的には理解できない水準まで下落したところを狙って買いを入れる投資戦略である。

そのような安値は、市場の集団心理の行き過ぎにより形成されたものであり、理論的な企業価値や将来の収益の可能性を考慮すれば、一定期間を経た後に、市場のパニックが収まることで買いが戻ってくれば、株価は上昇を開始する。これが、株価の安いところを買う、下落局面を買う、逆張りの投資戦略だ。

一方の順張りの投資戦略のターゲットは、ファンダメンタルズの裏付けを伴った、長く大きく続く上昇に偏った値動きである。この局面では、安定的に株価が上昇するので、この流れに乗り上昇局面で買いを入れる投資戦略こそが、順張りである。

「どちらが勝つのか?」は、実は的外れな質問

逆張りと順張りは、全く違ったターゲットを狙って構成された投資戦略であることを上記で説明した。市場に現れるトレンドの重要な2つの性質により、いずれもが理に適った、有効な投資戦略と言える。

トレンドの形成は、その期間や規模により、様々に区別することができるが、その重要な基本性質こそが上記に確認した性質であり、これを理解することにより、投資家は明確な自分自身の投資戦略を組み立てることができる。

逆張り投資家と順張り投資家のどちらが勝つのか? という質問は、実は的外れな質問であり、戦略とターゲット、それぞれの環境が全く異なることを理解して欲しい。その上で最も重要な点は、あなた自身の投資戦略を明確に定めることだ。

下落局面で安値に買いを入れる逆張り戦略か、上昇局面における高値でも、上昇の勢いを利用し買いを入れる順張り戦略か、トレンドの重要な性質を理解した上で、あなたの戦略をはっきりと決めよう。株式投資の利益は、ここから始まる。

文・松下 誠(まこと投資スクール株式会社 代表取締役)/ZUU online

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