監修者紹介

適書アドバイザー 谷口とよ美さん 株式会社DFB代表取締役社長。26年間の学校図書館勤務を経験したのち、経営者として4000以上の学校や公立図書館をプロデュース。2018年に子供一人一人に合わせた「適書」を提供する「コウノトリブックス」を立ち上げ。適書アドバイザーとして活躍中です。

赤ちゃんと読む絵本を選ぶポイント

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせはいつから? 新生児から楽しめるおすすめ絵本も紹介
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

誕生してから1歳までの1年間で、赤ちゃんの体は視覚も含めて急成長します。生まれたばかりの赤ちゃんが光の揺らぎを感じる時期から、月齢が進んでしっかりと顔を認識し動く物を目で追えるようになる時期まで、月齢に対応した絵本がたくさんあります。また視覚に比べて聴力が優れているので、パパママの声が心地よく聞こえる言葉がある絵本がおすすめ。赤ちゃんの目や耳の感覚にやさしく触れる絵本をたくさん発掘しましょう。

「音」を楽しめる言葉のリズムやひびきが良い絵本を選ぶ

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせはいつから? 新生児から楽しめるおすすめ絵本も紹介
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

赤ちゃんは視力が未発達なため、月齢が早い赤ちゃんほど音の方に反応します。絵を見せるより、聞かせることができる絵本を選んでみましょう。聞かせる絵本とは? 単語がリズミカルで、「ぽよんぽよん」など言葉の繰り返しが楽しく展開している絵本です。「ぷかぷかぷか」「しゅわしゅわ」など優しい音から、「ガゴン、ドゴン」「ゴゴゴゴゴ」などの重く鋭い音まで、赤ちゃんにいろいろな「音」の経験をさせてあげてください。

さまざまな音は赤ちゃんの注意力や集中力を持続させます。イラストは原色系の赤・青・黄・緑・オレンジ等の彩りで、丸・三角・四角を組み合わせた模様などによく反応するでしょう。もちろんキャラクターが登場しストーリーがある絵本も読んであげてください。0歳児向けの絵本は少なめの色で単純化された絵や、やわらかいイメージの絵が多く、理解しやすい単語が連続に出てくるのが特長です。

誤飲の可能性がない布製や頑丈な作りの絵本を選ぶ

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせはいつから? 新生児から楽しめるおすすめ絵本も紹介
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

体の動きが思うようにできない赤ちゃんが、手に取ったものを感覚で確認する時は口を使います。手先からの伝達よりも口からの方が、直接脳へ伝わるからです。そのため何でも口へ運んでなめて確認するのですが、絵本もそのような理由でなめたり噛んだりします。中には紙をふやかし飲み込んでしまう赤ちゃんも。気になる場合にはこの時期の赤ちゃんが安心して楽しめる布でできた絵本やハードボード製などを選んでみましょう。赤ちゃんの誤飲対策がされているので安心して持たせることができますね。 ただし絵本を面白い・ページをめくるとさらに面白いものがある…といった体験を繰り返すと、身体的な成長とともに自分でページをめくろうとします。その行動は、指を使う、手を使うという脳と連動する機能を上げることになります。ボードブックや布製にこだわりすぎると、選ぶ絵本の範囲が狭くなってしまうのでバランスをとって選びましょう。

赤ちゃんに絵本を読み聞かせるときのポイント

赤ちゃんへの絵本の読み聞かせはいつから? 新生児から楽しめるおすすめ絵本も紹介
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

寝たきりから首が座り、腰が据わり、立つことができるようになる0歳児ですので、月齢に合った絵本や読み聞かせ方があります。絵本はおもちゃの延長線上にあるコミュニケーションツールと思いましょう。読む、というより言葉の音遊びです。「くしゅくしゅ」「カチャカチャ」「ポポポポポ」などで赤ちゃんが良い反応を示してくれたら、しつこいくらいにくり返します。絵本の素材は紙のほか、布やハードボードがありますから交替で利用すると赤ちゃんが飽きることなく楽しめますね。

読み聞かせるときのパパママですが、基本姿勢は「動く」ことです。寝たきりの赤ちゃんだったら、見える位置に立ち台本片手にリハーサルする俳優のごとく、絵本を持ちながら手振り身振りで感情を込めて読みましょう。座って読む時は、内容に合わせて絵本を動かします。「コロコロー」でしたら絵の面を見せながら横に回します。赤ちゃんが絵本を持てるようになったら真似して絵本をポイっと投げるかもしれませんね。パパママと楽しんでいたらそのままにしてあげてください。赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ本来のページめくりを見せていけば、赤ちゃんはその通りに真似をしますよ。