雨の季節がやってくると、湿気で髪が広がってしまう…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。梅雨の季節にせっかくセットした髪が台無しになってしまうのは、湿気によって髪の水分バランスが崩れてしまうからです。
今回は梅雨時でも湿気に負けない髪をつくるための対策を、実際にサロンでお悩み相談を受けている美容師が紹介していきます。
髪の毛の湿気対策にお困りの方は必見です。
この記事に登場する専門家
美容師 / フリーランス 美容師免許
関西美容専門学校卒業後、美容室Double/HEARTS、
MANHOOD/LAURUNを経て、現在は都内でフリーの美容師として活動中。カラー・パーマといった毛髪化学の専門分野に詳しい。また、カラーの持ちやダメージケアといったホームケアに関しても専門的な知識を有する。
湿気でのお悩み・雨の日の髪トラブル
梅雨の時期や雨が降っている日は湿気が多くなり、髪が広がったり髪の癖が出やすくなります。そうなると、せっかく髪の毛をスタイリングしたのに巻きが取れてしまいます。
美容室に来店されるお客様の湿気に対する悩みはこの「広がり」「癖」「巻きがとれる」の3つが特に多いです。
前髪があるヘアスタイルの方は前髪が額にくっついたり、ロングへアの方は首周りに髪がまとわり付いたりするなど、湿気による髪のトラブルはどのヘアスタイルにもつきものです。
雨の日に髪が広がる原因
髪の毛は水分を含むと膨張し、元々の癖が出る性質があります。そのため、湿気が多いと髪は癖が出てうねり、そのうねった髪同士が重なり合うことで隙間が生まれて広がります。
水分を含み隙間が生まれて広がった髪は、毛先から自然乾燥します。髪は水分を含むとキューティクルを開く性質もあり、自然乾燥をするとキューティクルが開いたまま乾きます。
キューティクルは髪の艶や指通りに非常に重要です。そのため、湿気が原因で広がった髪が自然乾燥すると、キューティクル開いたままになり髪はボサボサになります。
外出先で前髪が大変なことになってしまった時の対処法
湿気で1番影響が出やすいのは前髪です。髪の毛先がはねたり、根元から割れたりと目立ちやすい部分です。
一度崩れた前髪は根元から濡らしてドライヤーで乾かさないかぎり完全には元に戻りませんが、外出先ではそんな時間も道具もないのが現実です。
そんな時は、普段自分が使っているスタイリング剤や、もしくはそれに近い質感のものを携帯しておくと便利です。
前髪をくしでとかしても絡まった髪は解けますが癖はとれません。したがって、オイル・ワックス・スプレーの様なある程度セット力があるものが好ましいです。
しかし、付けすぎるとベタベタになるのでほんの少しだけ付けるようにしましょう。
他には、携帯用のヘアアイロンもあるので、それがあるとより湿気でうねった髪を楽に直す事が出来ます。
湿気に備えた髪のケア方法・セット方法
髪が湿気によってトラブルを起こすのは空気中の水分を吸収するためです。したがって、髪に空気中の水分を吸収させないようにするのが湿気対策になります。
方法は大きく分けて2つあります。
1つはスタイリング剤を使用し髪をコーティングして空気中の水分を吸収しないようにする方法です。ヘアオイルやスプレーは特に効果的です。
もう1つはトリートメントで髪の内部に水分を閉じ込め、空気中の水分が髪の内部に入るスペースを無くす方法です。髪が乾燥しているとその分だけ空気中の水分を吸収しやすくなるので、しっかりと保湿することが重要です。
この2つの方法を同時に行うとより効果的になるのでおすすめです。
洗い流すトリートメントと洗い流さないトリートメントはどちらが効果的?
洗い流すトリートメントは主に髪の内部に水分を閉じ込めます。洗い流さないトリートメントは髪の内部に閉じ込めた水分を逃がさないようにする役目と艶や指通りをよくする効果があります。
どちらも同じぐらい重要で、湿気対策には無くてはならないものです。しかし、洗い流さないトリートメントが無くても、ヘアオイルで代用もできるので、どちらかというと洗い流すトリートメントの方が重要です。
髪の内部に水分を閉じ込めるタイミングは、髪が完全に濡れている時しかないので、雨の前日は保湿力の高い洗い流すトリートメントを使用すると効果的です。
髪のボサボサを防ぐトリートメントの見つけ方
髪は乾燥が1番の天敵で、髪トラブルのほとんどが乾燥が原因です。
よく、ダメージケアや癖を抑えるなどといったトリートメントがありますが、そのほとんどの効果は水分を補給して乾燥を抑えるのが目的です。
したがって、アミノ酸などが配合されている保湿力が高いトリートメントを選ぶのをおすすめします。
トリートメントのテクスチャー(質感)も重要です。サラサラしたタイプよりも、しっとりしたものの方が髪に付着する時間が長いため、保湿成分が効率よく髪の内部に吸収されやすくなります。
同じトリートメントでも質感が重いものや軽いものが販売されている事も多いので、季節や天気によってトリートメントを使い分けると、より日々のストレスが軽減されるので試してみてください。
湿気で広がる髪にオススメのトリートメント10選
※以下商品は美容師個人の主観に基づいて選定されています。
第10位 インプレッシブPPTセラムマスク SM 3,850円(税込) 180g
インプレッシブPPTセラムマスク SMはoggi ottoから販売されているトリートメントです。
oggi ottoはサロンで行うシステムトリートメントがメインですが、その効果を維持するためにホームケアシリーズがあります。
このマスクは加水分解ケラチンという成分が配合されています。
加水分解ケラチンは通常のケラチン(保湿成分)よりも高い効果があり、更に髪の内部のタンパク質と結びつくことで水分と栄養成分が外に出ないようにする効果があります。
他にもグレープフルーツやレモングラスの成分も配合しているため香りも良いので、梅雨の時期の雨のニオイが苦手な方でも、1日中気持ちよく過ごせるトリートメントマスクです。
第9位 コタ アイ ケア トリートメント 5 1,100円(税込) 80g
コタ アイ ケア トリートメント 5はコタが販売しているアイケアシリーズです。
コタのアイ ケアシリーズはシャンプーとトリートメントが5つずつあります。
その組み合わせによって自分の髪質に合ったものを選ぶ事ができます。
このトリートメントのシリーズはハイブリットローズ花エキスが配合されおり、その成分が髪を保湿しつつ老化の原因の1つと言われている活性酸素を分解し、アンチエイジングの効果もあります。
ぜひ自分に合った組み合わせを見つけてみてください。
第8位 MAiBU CRIT TREATMENT Ev 3,300円(税込) 280g
MAiBU CRIT TREATMET Evはハホニオが販売しているトリートメントです。
このトリートメントは疎水性反応型といい、補修成分が髪の内部に入りやすくて抜けにくいという効果があります。
そのため、長時間潤いをキープできます。
またケラチンと加水分解シルクも配合することでさらに補修効果を高めます。
シルク成分は元々高い補修効果がある成分ですが、加水分解することにより、成分を生成する際により質のいいものにすることができます。
このMAiBU CRIT TREATMET Evは毎日使用するのではなく、週に2.3回使用するのがおすすめです。
毎日使用すると髪が重くなりすぎてスタイリングがしづらくなるので注意しましょう。
第7位 TOKIO IE インカラミ プラチナム トリートメント 2,750円(税込) 200g
TOKIO IE インカラミ プラチナム トリートメントはTOKIOが販売しているインカラミシリーズのトリートメントです。
3種類のケラチンを配合し高い保湿力と補修力を兼ね備えたトリートメントです。
さらにメドウフォーム-ラクトンという成分を配合することで、髪の内部にあるケラチンとアミノ基(アミノ酸の元の成分)が結びつき、より髪から3種のケラチンが抜けださないようにします。
この効果は温めるとより促進されるので、お風呂で半身浴をしたり、ホットタオルで温めるとより効果的です。
第6位 海藻 海泥トリートメント 1,760円(税込) 170g
海藻 海泥トリートメンはその名通り海藻に含まれる成分を多く含んだ海泥のようなテクスチャーのトリートメントです。
ミネラルが豊富なトチャカという海藻のエキスを配合し、髪に水分を与えキューティクルを保護してくれます。
さらに、水溶性のコラーゲンも配合しており、そのため髪に馴染みやすく洗い上がりが滑らかな髪になります。
また、同じシリーズの海藻ヘアエッセンスというアウトバストリートメントを併用することで、トリートメントの効果が持続され、1日まとまりのある髪を保ってくれます。
第5位 ボタニカルトリートメントモイスト 1,540円(税込) 400g
ボタニカルトリートメントモイストはボタニカルが販売しているヘアケアシリーズのトリートメントです。
保湿成分にマカダミアナッツ・セラミド・ナノヒアルロン酸を使用しています。
セラミドはキューティクルを補修し、髪の内部の水分やケラチンが抜け出さないようにしてくれます。
ナノヒアルロン酸は元々保水力が高いヒアルロン酸よりも19倍の保水力があり、髪の隅々まで水分を行き渡らせます。
そして、セラミドとナノヒアルロン酸が髪に与えた水分をマカダミアナッツの油分でコーティングします。
梅雨の時期に髪が水分を含んで広がる方には是非おすすめしたいトリートメントです。
第4位 フェルエ シーリーフ トリートメント 1,752円(税込) 230g
フェルエ シーリーフ トリートメントはサンコールが販売しているFEROUE SEALEAF HAIR CAREのトリートメントです。
このシリーズは保湿と補修にとことんこだわっていて、このシリーズのシャンプーとトリートメントにはそれぞれいくつもの高い保湿成分が配合されています。
その中でも特に保湿力が高い成分がアミノ酸です。
このアミノ酸は18種類もあり、その全てが元々髪に含まれている成分です。
元々ある成分を配合することで、髪に馴染みやすく自然な艶と潤いを与えます。
使えば使うほど髪が綺麗になるので毎日が楽しくなるトリートメントです。
第3位 インプライム スムーストリートメント ベータ 2,200円(税込) 200g
インプライム モイスチャートリートメントはナプラが販売しているインプライムシリーズのトリートメントです。
このトリートメントは高い保湿力を多く配合し、さらにヒドロキシプロピルキトサンという成分も配合きています。
この成分は人工皮膚素材キトサンともいい蟹の甲羅から作られます。
ヒドロキシプロキトサンは元々は皮膚の補修などに使用されている成分で、髪に使用すると高いコーティング作用があり、指通りが良くなるはもちろん、髪の内部に浸透した水分を逃がさない役割があります。
しかし、元が蟹の甲羅なので甲殻アレルギーがある方は使用する前にパッチテスト(皮膚の薄い部分に試し塗り)をする事をおすすめします。
第2位 BC クア フォルムコントロールトリートメント 1,660円(税込) 250g
BC クア フォルムコントロールトリートメントはシュワルツコフが販売しているBCシリーズのトリートメントです。
このトリートメントには保湿成分の他にシリル化シルクという成分が配合されいます。
シリル化シルクとは熱に反応すると髪の表面を保護する効果があります。
そのためドライヤーで乾燥しやすい方でも、乾かすにつれ髪に艶が生まれサラサラな質感になります。
また、シリル化シルク成分の効果で湿気による髪の膨張も防いでくれます。
第1位 スロウ トリートメント モイスト 3,080円(税込) 80g
スロウ トリートメント モイストはスロウが販売するヘアケア商品のモイストシリーズのトリートメントです。
このトリートメントはハトムギ種子(保湿剤)やスクワラン(加脂剤)などのリペアモイスチャー成分を配合することで保湿力を高め髪の水分が抜けないようにします。
さらに、スクワランには殺菌効果もあるので、湿気で増える雑菌やウイルスから髪を守ってくれます。
雑菌などはニオイの原因にもなるので、ニオイに敏感な方にはおすすめです。
トリートメントの効果的な正しい使い方
洗い流すタイプと洗い流さないトリートメントは目的が異なります。
主に洗い流すトリートメントは髪の内部に作用し、洗い流さないトリートメントは髪の表面に作用します。そのため、美容室でお客様からよく「どっちのトリートメントが大事ですか?」と質問されることが多いですが、どちらも2つ揃って効果が発揮しますので、どちらかではなく両方使用することが大事です。
また、湿気が多い日は特に、日々の髪のケアがヘアスタイルの持続時間や質感に影響します。美容室ではシャンプーやトリートメントもスタイリング剤の1つとして考えているぐらい重要です。
湿気が多い日は髪がべたつきやすくなるので、なるべくサラサラする質感のトリートメントが効果ですが、保湿力が弱いとうねりやすくなるので、自分に合うトリートメントを試してみてくださいね。
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