おいしそうな食べものが登場する映画はたくさんありますが、先日、ご紹介したフランス映画『アスファルト』もそのひとつ。
この映画で描かれている不時着したNASAの宇宙飛行士とアルジェリア系移民のマダム・ハミダが交流するエピソードに、PARISmagではおなじみの「クスクス」がとても重要な食べ物として登場しているのです。
この映画を観終わったあと、「クスクス食べたい!」と思う方もきっと少なくないはず。今回は、マダム・ハミダのおもてなし料理をイメージしたアルジェリア風のクスクスのレシピを、料理研究家であり「Cous Cous Smile Project」を主宰している口尾麻美さんに教えてもらいました!
フランスのビストロメニューとしてもおなじみの、ラム肉とたくさんお野菜を煮込んだトマトベースのクスクスです。
(ちなみに、「クスクス」という言葉は、粒状のパスタを指すこともあれば、それと一緒に食べるスープなどの料理を総称することも。粒状のパスタはフランス語で「スムール」と表現することもあるので、そちらを採用しています。)
スパイスたっぷり!ラム肉と野菜のクスクスレシピ
【材料】(2~3人分)
<スープ>
オリーブオイル:大さじ3
ラム肉:250g ※鶏肉や牛肉でもOK。野菜だけでもおいしいです。
玉ねぎ(みじん切り):1/2個
水:1~1.2ℓ
にんじん(小):1本
大根:4cm
キャベツ(小):1/4個
じゃがいも(メークイーン):2個
ズッキーニ:1本
さつまいも(小):1/2本 ※かぼちゃも甘みが出るのでおすすめ。
ピーマン:1個
ひよこ豆(水煮缶)‥1/2缶
ホールトマト:1/2缶 ※トマトペースト(大さじ3~4)でもOK。
<スパイス>
クミンパウダー:小さじ1
コリアンダーパウダー:小さじ1
ターメリック:小さじ1/4 ※色づけ用なので省略可。
カイエンペッパー:小さじ1/2 ※辛くしたくない場合はパプリカパウダーでもOKです。
ブラックペッパー:小さじ1
ジャンジャーパウダー:小さじ1
おろしにんにく:小さじ2
塩:小さじ2~3
<スムール>
クスクス:1カップ
水:2/3カップ
塩:小さじ1/2
こしょう:少々
オリーブオイル:小さじ1
バター:10g
野菜はすべて揃わなくてもOKですが、にんじんと大根はなるべく入れた方がおいしいです。冷蔵庫にある野菜で作ってみてください。
【作り方】
1.肉を炒めます。
鍋にオリーブオイルを入れ、ラム肉を炒めます。肉に焼き色がついたら、玉ねぎを入れてさらによく炒めましょう。
2.スパイスを入れて煮込みます。
玉ねぎに火が通ってきたら、<スパイス>と水を入れ30分ほど煮込みます。
3.野菜を入れていきます。
肉がやわらかくなったら、大根、にんじんなど火の通りにくい野菜から順に入れていきます。野菜は面取りをしておくと崩れにくいです。北アフリカなどでは大きめにカットした野菜を使用することも多いですが、お好みでOK。
4.クスクスに調味料を入れます。
煮込んでいる間にスムールの準備をします。
ボウルにクスクス、塩、こしょう、オリーブオイルを入れさっと混ぜます。お湯を注ぐ前に調味料を入れるのが、スムールをおいしく作る秘訣です。
5.クスクスにお湯を注ぎ、戻します。
ラップをして10分ほど蒸らします。
クスクスがもどったら、ダマになっているところを手でほぐしておきます。
6.クスクスを蒸し器で蒸らすとよりおいしく!
クスクスはお湯で戻すだけでも食べられますが、本場のように戻したあとさらに蒸すことでよりおいしく仕上がりますよ。
蒸し器下段にお湯を沸かし、上段にクスクスを入れ、フタをしないで10分ほど蒸します。今回は現地でも使用しているクスクス鍋を使用しましたが、普通の蒸し器でもOKです。
4.クスクスにバターを絡めます。
蒸し上がったクスクスを大きめ器に盛り、バター絡めたらスムールのできあがり。
5.クスクスとスープを盛りつけたら完成です。
スープの具材がやわらかくなったら、塩(分量外)で味を整え、火を止めます。スムールを盛った器に具材を並べ、スープを別皿で添えて完成です。
スムールにスープをかけながらいただきます。たっぷりのお野菜と柔らかくなったお肉、スパイスの旨味が相まってとてもおいしいです。ラム肉やお野菜をすべて揃えるのは少しハードルが高い…という方は、鶏肉や牛肉、冷蔵庫にあるお野菜などで作ってみてもOK。お好みで北アフリカの辛味調味料アリッサをスープに溶けば、辛さが加わり、さらに食が進みます。トマトの味とアリッサの辛味はロゼワインとも相性抜群です。
みんなで食べれば“クスクス”と笑顔溢れる
映画『アスファルト』では移民のお母さんから不時着した宇宙飛行士へのおもてなし料理として、クスクスが描かれていましたが、クスクス料理はもともとイスラムの休息日である金曜日に、家族や友人たちと語らいながら食べたり、恵まれない人々に振る舞うメニューだったのだそう。そして、そこからの移民が多く住むフランスをはじめとするヨーロッパにもその精神は浸透しています。
クスクス料理のそんなエピソードを知ると、家族や友人たちと一緒に会話をしながら食べるのはもちろん、まだ知らない人たちとも一緒にクスクスを食べれば、なんだか仲良くなれる気がしてきますね。
たっぷりの具材をじっくりコトコト煮込んだクスクス料理で、“クスクス”と笑顔溢れる食卓をお楽しみください。
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