クラウドソーシングの低報酬打開が鍵

ただ奄美、日南両市とも高いスキルを持つプロのライターやデザイナーがどんどん集まってきているわけではない。クラウドソーシングを使い、都会の仕事を地方で受注し始めた段階だ。

クラウドソーシングは「インターネットのドヤ街」と批判されるほど低い報酬が問題になっている。クラウドワークスは80万人の受注者の中で、2015年10~12月で平均月額報酬が20万円を超えたのはわずか111人。このうち、ライターは3.6%しかいなかった。

総数1000文字の記事を書いて100円の報酬しか得られない仕事も珍しくなく、最低賃金以下の仕事がまん延しているのが実情だ。現状では本業を持つ人の副業や専業主婦の小遣い稼ぎになったとしても、これ1本で生活するのはかなり難しい。

ランサーズやクラウドワークスはスキルの高い受注者を「認定ランサー」、「プロクラウドワーカー」に認定し、生業として成り立つ高報酬の仕事をあっせんしようとしている。しかし、努力はまだ実を結んでいない。

Webのライティング業界はビジネスモデルが小さく、極限まで外注費用を下げて運営しているところが多い。子供の駄賃程度の報酬に抑えなければ利益を出せない企業や個人が、コスト削減のためにクラウドソーシングで仕事を発注していることも、常識外れの低賃金が横行する一因となっている。

奄美市、日南市ともフリーランス誘致やWebライター育成の鍵を握るのが、低報酬の打開とみているが、具体的な方策をまだ持ち合わせていない。新しい働き方を実現し、地方創生に結びつけるために、乗り越えなければならない大きな壁だ。

文・高田泰(政治ジャーナリスト)/ZUU online

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