日本には多くの個人投資家が存在し、全ての個人投資家は、全くの初心者の状態から株式投資を始める。至って当たり前のこの状態から、個人投資家はいきなり株式投資の成功を夢見ている。しかし、現実的にこれには無理がある。例えば、スポーツや芸術の世界に目を向けた時、初心者がいきなり上達し、一定の結果を残すことなどあり得ない。長い年月の練習や経験を経て、技術や能力を磨く。

「早く儲けたい」感情に逆らうのはそう簡単ではない

不思議なことに、株式投資の世界においては、投資家はいきなりお金が増えることを夢見ている。ここには大きなギャップがある。株式投資に臨む投資家は、この現実をしっかり見据えて、時間をかけて知識や技術の習得に励むことが必要だ。

初心者の投資家が、最初から投資の利益を期待してしまうのは、人間の感情に起因している。「早く儲けたい」という強い感情を、投資家の誰もが持っている。この感情の力は強く、これに逆らうことは容易ではない。だから投資家は、いつまで経っても、時間をかけて学ぶ努力をしない。

株式投資を特殊な世界と勝手に位置づけるのではなく、スポーツや芸術と同様に位置づけ、早く知識や技術の習得、練習を始めるべきだ。

本を読むことから始めよう

投資家は、最初は株式投資に対して無知である。株式市場について何も知らず、株式投資について何も知らない。この状態で、いきなり利益が上がるわけはないので、株式市場について学び、株式投資について学ぶ必要がある。

この時の効果的な学習方法は、本を読むことだ。ドイツの宰相ビスマルクの言葉に、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がある。株式市場や株式投資は、すでに長い歴史を持つ世界であり、この世界で大成功を収めた先人は多い。その先人が書いた本、あるいはその先人の投資哲学や投資戦略、投資手法を解説した本を読めば、直接生きた知恵を学ぶことができる。株式投資の歴史に学ぶ意味で、まず投資成功者の本を読むことから学び始めよう。