渡し舟
この浦賀の地は、行政方針により、浦賀湾をはさんで西と東に分けられました。浦賀湾は、くさびのように、深く陸地に切り込んだ形状をしています。西叶神社から東叶神社の直線距離は近いのですが、この浦賀湾を周り込んでいくと、徒歩では約40分近くかかります。
東西の浦賀の人たちにとって、この浦賀湾で隔てられた交通事情は非常に不便なものでした。そこで、住民が費用を出し合って、渡し舟を作りました。
こちらが、朱色を基調とした浦賀の渡し舟「愛宕丸(あたごまる)」です。西浦賀にある愛宕山からとった船名です。デザインもとってもクラシカル。かつて叶神社のお神輿を運んだ船をモチーフにしたそうです。地域の交通船ですが、やっぱり叶神社とは切り離せない存在のようですね。
この浦賀の渡し舟は独特のシステムをとっていて、公共交通機関では当たり前の時刻表はありません。待合の場には、乗船ボタンがあり、乗船したい人はそのボタンを押すと船が来てくれます。
でも対岸がすぐそばなので、乗船ボタンを押さなくても、船頭さんが目視で乗客を発見して来てくれます。
大人200円、たった3分ほどの船旅ですが、浦賀造船所跡地もあるこの地は、船のドックなども眺めることができて、結構見ごたえのある景色です。
なお、浦賀の渡し舟は、付近の工事や、天候などの影響により、休航もあるのご注意ください。お出かけ前に公式サイトを確認してくださいね。
東叶神社
さて、対岸の船着き場から5分ほど歩くと、西から別れたこちらの東叶神社に到着します。
東は武士が治める時代に建てられました。質素倹約の時代ですから、西の装飾に比べて、比較的シンプルです。現代まで続くミニマルな日本文化を表したようなすっきり感で、なかなか粋です。
狛犬の口は?
さて、西叶神社にある狛犬は、口を開けた阿形でした。ここ東叶神社は?というと・・・
どうですか?口をしっかり引き結んだ吽形です。浦賀湾をはさんで、阿吽一対の狛犬となりました。二つに分かれてしまったけれど、それをしっかり生かした粋な演出ですね。
縁結びのお守り
狛犬にあやかってか、縁結びのお守りも、東西でパーツを分けて授与していましたね。西では勾玉を頂きましたが、東ではその勾玉を包むお守り袋(500円)が頂けます。
願いが「叶う」神社を東西2つ巡ってお参りするので、通常の2倍のご利益があるんだとか。ご利益ダブルだなんて、ちょっと得した感じですね。
さらなるご利益を求めて
西叶神社は、宮彫りでの装飾が特徴的でしたが、東叶神社はその土地に特徴があるようです。東叶神社は、西に比べて敷地が広く、ここにさらなるパワスポが隠されています。
注目して頂きたいのが、写真「⑧恵仁志坂(えにしざか)道標」と「⑮産霊坂(むすびざか)道標」。「えにし」と「むすび」と、なかなかパワーのある名前だと思いませんか?縁(えにし)があって結(むす)ばれて願いが叶う、ガッツリ良縁にご利益のある坂です。
きつい坂を登ってご利益を頂くこちらの坂。頑張って登っていきましょう。この叶神社の近くにある「走水神社」でも、きつい石段を登ってご利益を頂くという考え方があるよう。浦賀の開運法なのかもしれませんね。
こちらも坂は2つ。叶神社は何かと「2」にあやかったものが多いですね。この坂もダブルでご利益が頂けるといいですね!
おわりに
東叶神社の産霊坂を登った奥には、浦賀城跡があります。跡地となったその場は、浦賀水道を見渡す一面青の景色。うっすらと向こうに見えるのは、房総半島です。戦国時代に浦賀の武将が、房総半島の敵を権勢するために建てたと言われる浦賀城。
昔は権勢のために、存在をアピールするための場でしたが、いまは風が心地よく吹き抜ける展望の場となっています。ダブルのご利益をゲットした後は、ここで一休みしてはいかがでしょうか?ご縁がますますアップしそうな爽快さですよ。
提供:トリップノート
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