神奈川県丹沢地区にある高松山は標高800m程度の小さな山です。初心者向けの難易度が低い山であるのに加え、登山道のいたるところで富士山の雄大な姿を見ることができるので、とってもお勧めですよ。
山北駅~旧川村小高松分校
さっそく、高松山に向かってみましょう!JR御殿場線山北駅からスタートします。駅前には観光案内所もあり、週末には登山者で賑わいます。
ここから登山口までの行き方はさまざまですが、多くの方がそうするように、今回はタクシーを利用して行ってしまおうと思います。駅前には登山客に慣れたタクシーがお客さん待ちをしています。時間によっては、登山者をのせてタクシーが出払ってしまうこともあるそうです。
タクシーに乗り込んだら「旧川村小高松分校」で停めてもらいましょう。駅前からタクシーで約2,500円ほどです。
徒歩の場合、登山口まで一般道が通っています。もし登山靴で行く場合は、普通のスニーカーに比べ重く、ソールも硬く作られているので、アスファルトを長時間歩くと靴自体を痛めてしまったり、足への負担もかかるのでタクシーを上手に利用したほうがいいですよ。
10分ほどで「旧川村小高松分校」に到着。古い木造平屋の建物が目印です。なんとこちらは神奈川県最後の分校だそうですよ。既に廃校ですが外観は見学することができます。当時の下駄箱がそのまま保存されています。それぞれの扉に野鳥が描かれていて素敵ですね。
牧場
旧川村小高松分校を出て左手に5分ほど進むと、分岐を表す案内板が立っています。
進行方向から折り返すように左折します。その後もすぐに分岐があらわれますが、このように案内板が随所に建っているので迷うことはないでしょう。この先からは、案内板の指示にしたがって「第六天」または「高松山」と書かれた方向へ進みます。
分岐を曲がるのに一生懸命になってしまいますが、前ばかり見ないで、たまに後ろを振り返ってみてください。富士山がすぱーんと気持ちよく見えますよ!今回の登山は富士山がとにかく良くみえるんです。登り始めなのに、全景がみえちゃうってすごくないですか。
先ほどの分岐から10分ほど歩くと、真っ赤な屋根が見えてきます。こちらは牧場で、この屋根を右手に見ながらさらに山道を15分ほど登っていきます。
尺里峠と第六天
高い木に囲まれた林道を歩いて行くと、複数の道がぶつかる場所に出ます。
この辺りは「尺里(ひさり)峠」と言われています。この尺里峠には別名があって「虫沢峠」とも呼ばれています。この峠を挟むように尺里地区と虫沢地区があります。尺里地区の人から見ればこの峠は虫沢地区に行くときに通る峠なので「虫沢峠」。逆に虫沢地区の人から見ればこの峠は尺里地区に行くときに通る道なので「尺里峠」となったようです。名前の中に生活の峠として使っていた人々の気配を感じるような気がして面白いですね。
「はなじょろ道」とかかれた階段を登っていきます。登ると石碑があります。
ここは第六天です。第六天とはざっくり言えば、神様が住む世界のうちのひとつ。この石碑はその第六天に住む神様を模した石碑です。登山道はこの石碑の真後ろに続きます。
富士見台
ここは「富士見台」です。
富士見台と書かれた案内板が建つ、ちょっとした広場があります。その名からお分かりになるかと思いますが、ここからは富士山が見えるんです。ではどのような景色かご覧いただきましょう。
綺麗に富士山を見ることができますね。周りの木々がフレームのように富士山を囲んでいるのもフォトジェニックで素敵です。
真弓ヶ丘
冨士見台から少し歩くと、ベンチがある広場に出ます。
正面には立派な木と看板が。
こちらは真弓の木です。
真弓の木は女性の人名のような名前のせいか、柔らかいイメージがあります。しかし木の密度が高く、よくしなるため弓の材料として使われていました。真の弓で「真弓」なんですね。どちらかと言うと男性っぽいイメージの木のようです。
男坂と女坂
さて真弓ヶ丘から30分ほど歩くと、男坂女坂があらわれます。進行方向まっすぐ進むと「男坂」。斜度がきつめの健脚向き。とはいえ距離も短いのでたいしたことはありません。
そして、進行方向右手に出てくるのが「女坂」。ほとんど平地のようなゆるやかな坂ですが、その分距離が長くなっています。
グループで行く場合、「男坂、女坂どっちにしよう?」と迷うことになりそうですが、どちらも距離はたいしたことはないので、各々好きな道を選んでも大丈夫です。実は、この先5分ほどでもう頂上なんです。
高松山山頂
男坂や女坂をのぼりきると、そこは標高約800mの広場があります。いくつかのベンチがあり、中央にテーブルが一つあります。
ベンチやテーブルはすぐに埋まってしまうので、レジャーシートを持って行った方がいいでしょう。
そしてこの高松山の山頂は、いままで道中でもチラホラ見てきた富士山が、こんな風にどーんと見渡せるんです!どうです雄大でしょう?