神奈川の撮影スポットといえば、みなとみらいや鎌倉などを思い浮かべがちですが、実は知る人ぞ知る穴場が横須賀にあります。それは、三笠公園から船で向かう無人島。多くのフォトグラファーやコスプレーヤー、ユーチューバーなどが撮影に訪れる注目の島「猿島」をご紹介します。
横須賀の「猿島」はこんな場所
猿島は東京湾に浮かぶ無人島で、周囲は約1.6kmと徒歩で1時間くらいの大きさです。幕末に異国船から江戸を守るために台場が作られ、第二次世界大戦が終わるまで要塞として使われてきました。今でも砲台跡や兵舎などが残されていて貴重な史跡となっています。
猿島といっても猿が住んでるわけではなく、鎌倉時代に日蓮上人が嵐で遭難しかけたとき、1匹の白猿が島の洞窟へ導いたという話からこの名前がつけられたそうです。映画やプロモーションビデオの舞台となることも多く、休日には島探索やバーベキューを楽しむ人で賑わうなど、手軽にいける観光スポットとして人気を集めています。
猿島へのアクセス方法と料金
京急の「汐入駅」または「横須賀中央駅」から15分ほど歩くと「三笠公園」に到着します。公園の脇に「三笠ターミナル」と桟橋があり、そこから1時間おきに船が出港しています。料金は大人往復1,400円のほかに、猿島公園入園料200円がかかります。約30分のガイド付きツアーは600円ですが、三笠ターミナルで乗船券とセットで申し込むと100円引きになります。
猿島の撮影スポット
1.明治に造られた猿島発電所
坂道を上って島の奥へと進むと、廃屋のような不思議な建物が現れます。これは明治28年(1895年)に建てられた発電所で、現在も島の電力供給に使われています。当時は石炭を燃やしていたそうですが、発電所のわりには煙突がやけに低いのがわかりますね。これは大砲が設置されてるのを気付かれないように、外側から目立たなくしていたそうです。
2.神秘の猿島切り通し(要塞跡)
さらに進むと両サイドに高い塀がそびえ、コケで覆われた古いレンガや、木々の隙間から差し込む光が独特な世界を創り出しています。どこを切り取っても絵になるので、風景を写す人やポーズを決める人など、みんなそれぞれの表現を楽しんでいます。
窓や扉は弾薬庫や兵舎として使われていた要塞跡です。時間の経過とともに建造物と自然が見ごとな具合に融合し、なんともいえない神秘の空間を生み出しています。この道は山を切り開いて作られたため、上空からは森があるようにしか見えません。そんなミステリアスさも猿島の魅力のひとつでしょう。