生涯賃金をとるか、初任給をとるか

大学新卒社員の全業界の平均年収は、200万円~250万円程度といわれている。月収換算だと19万円程度。ボーナスが加算される企業の場合は、22万円ほどである。

就職する立場からすれば、初任給が高いにこしたことはないが、それだけに目を奪われるのは考えものだ。留意したいのは、生涯賃金である。

特に、結婚や出産、子どもの教育など、何かと生活にお金がかかる30代以降は要注意だ。20代の年収がいくらよくても、30代の年収が平均を下回ってしまったら、生活が苦しくなる。それに経済の不透明な現代では、老後の余裕は多すぎることはない。安心した人生を送りたいなら、初任給より生涯賃金に注目したほうが賢明といえる。

キーエンスは、コンサルタント営業という付加価値の高い仕事により、ずば抜けた利益を生み出している。たしかに仕事は厳しいかもしれないが、見返りが大きければ仕事への意欲も高まるだろう。じっくりと腰を据えて自分の専門性を高め、できるだけ長く勤めたいのであれば、生涯賃金の高いキーエンスのような会社がベストチョイスといえる。

一方、初年度年収600万円のワークスは、明確な年齢別年収を明らかにしていない。口コミサイトなどを巡ってみると、一部を除き「昇給はほとんどない」という意見が多い。実際に同社で働いていた人物からも同様の声が聞かれるなど、信憑性もありそうだ。

ワークスアプリケーションズでは、専門性や付加価値の高い仕事だし、成果報酬の割合が大きいようなので個人差がつきやすい、という傾向はあるものの、世の中の平均に比べれば、かなりの高給取りではある。

だからワークスアプリケーションズのような会社の場合、激務の20代に高額の給与を受け取りつつ自分の専門性や社会的価値を高め、30代以降は自分を高く評価してくれる別の会社に転職して生涯賃金の底上げをはかる、というのもひとつの選択肢だろう。

さて、初任給が高額の会社を選ぶか、それとも生涯賃金の高い会社を選ぶか。それは本人の人生設計次第。焦らず慌てず、じっくりと考えていただきたい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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