コロナワクチンの研究開発で多くの資金提供を受けた企業はどこでしょうか?また、その資金はいったいどこから出ているのでしょうか?「Knowledge Portal on Innovation and Access to Medicines(イノベーションと医薬品へのアクセスに関する知識ポータル)」のデータをもとに、コロナワクチンの研究開発費事情について見ていきましょう。

コロナワクチン研究開発で資金提供を多く受けた企業

「Knowledge Portal on Innovation and Access to Medicines 」によれば、2021年3月時点で、コロナワクチン研究開発で多くの資金提供を受けた上位10社は以下の通りです。

1位 モデルナ 約9億5,630万USドル(約1040億円)
2位 ヤンセン 約9億1,060万USドル(約990億円)
3位 ファイザー・ビオンテック 約8億30万USドル(約870億円)
4位 キュアバック 約7億4,170万ドル(約810億円)
5位 ノババックス 約5億800万ドル(約550億円)
6位 アストラゼネカ・オックスフォード大学 約5億100万ドル(約540億円)
7位 クローバー・バイオファーマシューティカルズ 約3億2,800万ドル(約360億円)
8位 シノファーム 約1億4,500万ドル(約160億円)

参考:Knowledge Portal on Innovation and Access to MedicinesおよびForbes JAPAN

これらの企業への莫大な資金提供があったからこそ異例の速さでコロナワクチンの研究開発が進み、1年で実用化に至ったといえるでしょう。

コロナワクチン研究開発への資金提供の大半は公的資金

コロナワクチン研究開発費の大半は、公的資金から提供されています。資金提供額が特に大きい国や地域を5つ紹介します。

1位 アメリカ 約23億5,100万USドル/約2,589億円
2位 ドイツ 約15億700万USドル/約1,650億円
3位 イギリス 約5億200万USドル/約550億円
4位 EU 約3億270万USドル/約386億円
5位 カナダ 約2億8,300万USドル/約310万円

参考:Knowledge Portal on Innovation and Access to Medicines
※以上の国別資金提供額は、2021年5月現在のおよその金額です。

ファイザーやモデルナを擁するアメリカ、アストラゼネカを擁するイギリスなど、欧米の国や地域がより多くの研究開発資金を提供しています。この結果から、速やかなワクチン研究開発が莫大な公的資金によって支えられていることがよくわかります。