契約条件以外に注目したい2つのポイント

さらに、契約条件以外のとっておきの不動産投資家目線のチェックポイントも2つお教えしよう。

1)家賃下落の長期予想を立てる
2)返済期間における残債利回りを意識する

1)査定家賃の更新と長期的な家賃下落は避けられないとしても、将来の値下がり程度の予想がつけば、事前に準備ができる。では、どうやって10年後の家賃の予想をするのか? 将来のことは誰にも分からないが、類推することはできる。

それは、近隣の築後10年の物件の家賃相場を調べればいいのだ。その家賃と新築家賃とを比較することで、10年後にあなたの物件がどれだけ値下がりするかを推測することができる。

賃貸需要が薄く中古物件が大きく値下がりする地域か、賃貸需要が旺盛で中古でもさほど値下がりしない地域かが分かれば、ハウスメーカさんの提案の良し悪しも正しく判定できるというもの。

2)残債利回りとは、ローン残高からみた家賃収入の利回りのこと。家賃が年額500万円で、ローン残高が5000万円なら残債利回りは10.0%になる。これが、返済が進みローン残高4000万円に減れば、残債利回りは12.5%だ。

この利回りと市場の売買物件の利回りを比較するのだ。「市場利回り<残債利回り」になれば、今すぐ売却してもローンは残らないという事。

この残債利回りを意識しておけば、いつ売却するのが妥当か、出口戦略の参考になる。もちろん売却せず持ち続けるという選択肢でも結構だ。

この2つのチェックポイントで「一括借上げ」に振り回されるのではなく、うまく「一括借上げ」をぜひ使いこなして欲しい。

文・山本 常勝(サラリーマン不動産投資家)/ZUU online

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