世界の中で一番法人税が高い国はどこでしょうか。また、「日本の法人税は高い」とよく言われますが、本当に日本の法人税はそれほど高いのでしょうか。OECD(経済協力開発機構)のデータベース「OECD.Stat」の2020年のデータをもとに、世界の法人税が高い国ランキングトップ10を紹介。法人税率が高いことのデメリットや日本の法人税事情ついてもお伝えします。
世界の「法人税が高い国」ランキングトップ10
まず、世界の中で法人税が高い国ランキングトップ10を紹介します。
1位 フランス32.02%
2位 ポルトガル31.50%
3位 オーストラリア・メキシコ30%
5位 ドイツ29.94%
6位 日本 29.74%
7位 ニュージーランド 28%
8位 イタリア 27.81%
9位 韓国 27.50%
※OECD(経済協力開発機構)調べ(2020年)
法人税率トップはフランスの32.02%、日本は30%をわずかに下回る29.74%で6位にランクインしています。
このランキングから、法人税率トップ10ヵ国にある企業は毎年利益の約30%を税金として国や地方政府に納めていることがわかります。
法人税率が高い国にはどんなデメリットがある?
ところで、法人税率が高い国には以下のようなデメリットがあります。
法人税が高い国を企業が嫌って拠点を移す
法人税が高い国ではその国に拠点を持つ企業が多額の法人税を納めることになります。とうぜん、実質的な利益は小さくなります。最近はそれを嫌う国内外の有力企業を中心に、法人税が安い国に拠点を移すケースが増えています。
国が経済的なダメージを受けて国際的な競争力が下がる
企業等が納める法人税は、その国を豊かにして国の国際競争力を上げるメリットがあります。しかし、法人税率の高さが原因で多くの法人が他の国に拠点を移せば、その分の税収がごっそりなくなります。そうなると国が経済的に大きなダメージを受け、国際的な競争力が下がることは避けられません。
現在は世界各国が法人税率を下げている
以上の理由から、現在は世界各国が法人税を下げています。約20年前は法人税率が40~50%の国も複数ありました。しかし、今はトップレベルでも税率30%前後まで下がりました。今後も世界各国の法人税率は下がっていくと思われます。