年々厳しくなっていくのが年金など、社会保険料の徴収です。しかし、これだけの締め付けがあるにも関わらず、未納の人は存在しています。未納者の多くは、低所得者と思われがちですが、一定以上の収入があっても「払いたくない」という理由から払わない人も多数いるのです。年金の未納は、将来の大きなリスクとなりえます。そこで、本稿では実際に未納の場合、どのようなリスクがあるかについて説明します。

年金未納率と年齢層

厚生労働省の発表によると年金の納付率は年々上昇しています。これは単純に年々督促が厳しくなっていると考えると自然でしょう。納付率は上昇しているといっても、2017年の納付率は66.3%であり、33.7%が未納です。また、同年の世代別の納付率を見ると55~59歳の世代は76.28%が年金を納付しているのに対し、25~29歳の世代は54.87%しか年金を納付していません。

若い世代は、年金に対しての実感が湧きにくいうえ、年々受給額が引き下げられている現状では納付したい気持ちが薄れてしまう面があることは否めないでしょう。

納付率にはカラクリがある

厚生労働省は、年金の納付率について上述のように発表していますが、これにはカラクリがあるのです。年金の納付は、国民の義務として定められていますが、「法定免除者」「申請全額免除者」「学生納付特例者」「納付猶予者」は納付を免除されています。また、彼らの免除期間は納付率の計算式には組み入れられません。

このようなカラクリがあるため、実質的な納付率は約40%といわれています。つまり、実質的な未納率は約60%にも上るのです。