「亜麻仁(アマニ)」という食べ物、ご存知ですか?

古代ギリシャでは、西洋医学の父と呼ばれるヒポクラテスが「亜麻を食べると胃の調子がよくなる」として栽培を進めていたり。

800年代には、フランスのシャルルマーニ大帝が「国民は亜麻仁を摂るべし」と健康上の価値を認め、法令化していたそう。

このように、亜麻仁はヨーロッパでは昔から健康に良いとされてきました。

最近では日本でも、健康に良い食品としても耳にすることが多いのではないでしょうか。

古くから良いとされ、日本でも注目されている亜麻仁。

一体どんなものか?どうカラダに良いのか?どうやって摂り入れられるのか?気になりますね。

今回は、この亜麻仁について、ご紹介していきます!

亜麻仁(アマニ)とは?

亜麻仁とは、亜麻(アマ)という植物の種(ニ=仁)です。見た目は小粒でゴマのよう。

英語では、Flaxseed(フラックスシード)と言います。

亜麻仁は、種を挽きパウダー状にして食用にしたり、種子から取れる油は、食用油や絵の具、工業用油としても使用されています。

また、亜麻は種だけでなく、茎も利用され、茎の繊維からは麻布という布地が作られます。

この繊維は、インドやエジプトでは5000年以上前から衣服として利用されており、ヨーロッパでは、木綿が普及するまでの主要な素材として活用されていました。

亜麻の歴史は古く、人類が初めて栽培した植物の一つと言われています。

古くは、石器時代の遺跡から、繊維や種が利用されていたという痕跡が見つかっているそう。

また、紀元前5000年頃にはエジプトで栽培されており、ミイラを包む布地として利用されていたようです。

亜麻仁の食品と栄養成分

亜麻仁を使用した食べ物は主に3つあります。

・亜麻仁油:亜麻の種から絞り出した油

・フラックスシード(亜麻仁):亜麻の種そのもの

・フラックスシードパウダー:亜麻仁を挽いてパウダー状にしたもの。

亜麻仁(いり)の栄養成分はこちら。

可食部100gあたり

  • タンパク質 21.8g
  • 脂質 43.3g
  • 炭水化物 30.4g
  • 灰分 3.7g
  • α-リノレン酸 24000mg
  • 食物繊維 23.8g
  • 水溶性食物繊維 9.1g
  • 不溶性食物繊維 14.7g <良質な脂質α-リノレン酸が豊富>
    α-リノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中で、オメガ3系脂肪酸に分類される脂肪酸です。人間の体内で生成できず、体に必要不可欠な必須脂肪酸であるため、積極的に食品から摂取する必要があります。

    α-リノレン酸は、菜種油・くるみ・大豆油などの食品にも含まれていますが、中でも亜麻仁や亜麻仁油の含有量(100gあたり)はダントツに多いです。

    亜麻仁油には、菜種油の約7.6倍のα-リノレン酸が含まれています。

    α-リノレン酸は、体内に入るとドコサへキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)に変換されます。このDHAとEPAは青魚にも多く含まれます。

    現代は、青魚の摂取量の減少から、オメガ3系脂肪酸が不足しがちなため、亜麻仁は良い補給源と言えます。

<バランスの良い食物繊維が豊富>
現代人に不足しがちな食物繊維は、積極的にとりたい栄養素。亜麻仁には食物繊維が、100gあたり23.8gと豊富に含まれています。これは、ごまと比較しても約2倍の量。

また、食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、2:1で摂るのが理想的とされていますが、亜麻仁(100gあたり)には、不溶性食物繊維が14.7g、水溶性食物繊維が9.1g含まれており、比較的良いバランスと言えます。