バレンタインデー、ホワイトデーと続き、毎年2月~3月はチョコレートを食べる機会が増えますよね。おいしいチョコレートを最大限に堪能するためには、チョコレートの味わいにぴったりのドリンクを合わせて“ペアリング”を楽しみましょう。

まずはチョコレートの“味の強弱”を意識してみて

フランス料理×ワインにおいて使われることが多かったペアリングという言葉ですが、近年はフレンチ×日本酒や、和食×クラフトビールといった組み合わせに加えて、コーヒーや日本茶などノンアルコールドリンクで味わうペアリングにも注目が集まっています。

フードとドリンクの相乗効果を期待できるペアリング。組み合わせの妙を追求するために、旨味などの成分を科学的に分析していくと、かなり奥が深い世界なのですが、それでも基本ルールというものは存在します。

まず意識したいのは、“味の強弱”です。チョコレートは味の濃い食べ物なので、あっさりしたドリンクだと風味がかき消されてしまいます。逆に「味が濃いからこそ、あえて風味が軽いドリンクと合わせる」という考え方もあるのです。

どちらを選ぶかは人それぞれですが、“味の強弱”ということを頭に置くようにすれば、自分好みの組み合わせも見つかりやすいでしょう。

シンクロ、サポート、コントラスト?

チョコレートブランド「リンツ(Lindt)」は公式サイトで、同ブランドの商品とドリンクとのペアリングについて指南しています。

「リンツ」によると、70%カカオのチョコレートはブラックコーヒーと合わせるのが良いのだそう。風味や色の似たもの同士で、シンクロ(同調)した味わいの余韻を深めあう効果を狙ってのことだそうです。「複雑味」と「奥ゆき」をお互いに与え香味を尊重しあう組み合わせです。

さらに78%カカオには主役を支えて、引き立てサポート(支援)してくれるダージリンティーを、99%カカオには香りや色にコントラスト(対比)のある抹茶を合わせることを提案しています。シンクロして深め合う、味わいをサポートする、コントラストで引き立たせる……。一口に“ペアリング”といっても方法はいろいろあることがわかりますね。

チョコレートは水かお茶と一緒に食べるべし?

基本的にチョコレートと合わせる定番ドリンクとしては、コーヒーやウィスキー、ブランデーが挙げられます。“味の強弱”でいえば、しっかりした風味のもの同士で組み合わせているということですね。

その上で、「シンクロして深め合う」、「味わいをサポートする」、「コントラストで引き立たせる」の要素を計算に入れたら、自分にぴったりのペアリングが見つかるのですが、ベルギー生まれの世界的ショコラティエはこんな意見を口にしています。

日本でもおなじみの有名チョコレートブランド創業者であるピエール・マルコリーニは、かつて日本のバラエティ番組に出演したとき、「チョコレートに合う飲み物は水かお茶」と発言していました。水はチョコレートそのものの味をピュアに楽しんでほしいということだと思われますが、世界的ショコラティエがお茶を推しているのは気になりますよね。

チョコレートとお茶とのペアリングには、どのようなものがあるのでしょうか?