華やかなりし頃の面影を残す秋田のレトロ町「増田」で、商家の町並みを歩き、蔵めぐりをしてみませんか?家主との触れ合いを通して、代々大切に、ひっそりと守られてきた内蔵の魅力に引き込まれます。今回は公開されている家屋の中から厳選したスポットと、周辺のおすすめスポットご紹介。
蔵めぐりのご案内
秋田県横手市増田町には、国の重要伝統的建造物群保存地区があり、蔵を鞘(サヤ)で覆う独特の建築様式が今も残されています。この建築様式や増田町の歴史については、前編「神秘のベールを脱いだ「内蔵」のあるレトロ町【秋田県増田】」でご紹介していますので、そちらの記事を参考にしてみてください。
こちらの後編では、見学ができる公開家屋19棟やスポットのうち、ぜひご覧いただきたい所を、順にご紹介していきます。お時間に合わせてピックアップするなど、見学の参考にしてください。
また、内蔵は案内所や店舗を除き、住人の方々の大切な生活空間となっています。その点を十分にご留意いただいた上で見学してください。1箇所の見学所要時間はそれぞれ異なりますが、平均しておよそ15分程度です。
【1】増田の町並み案内所ほたる
国道342号線から中七日町通りに左折する角に、増田の町並み案内所「ほたる」があります。公開家屋の情報や、お土産販売、トイレも設置されているので、まずはこちらで情報収集しましょう。無料駐車場も隣接しています。案内所の隣には、後の【11】で紹介する「旧杏華堂石田医院座敷蔵」もあります。
見学時間:9:00~17:00
定休日:年末年始
見学料:無料
※予約不要
【2】佐藤又六家
町のほぼ中央に建ち、内蔵の構造が一番理解しやすい住宅です。明治初期に建築された住居と店舗、内蔵を惜しみなく公開しています。家の中で100m走ができるほど長い土間に驚くことでしょう。2階にあがり、表通りを上から見学できるのも貴重な光景です。
見学時間:9:00~16:00
定休日:不定休
見学料:¥300
※要予約、国登録有形文化財
【3】佐藤養助漆蔵史料館 養心庵
江戸時代から8代続いた大地主の旧宅で、現在は稲庭うどん店が併設されています。公開されている奥の蔵の2階の広間は、まるで鏡のような総漆の広い蔵で、その様子に驚かされます。
丁寧に塗り重ねられた漆は、80年以上の時を重ねた今でも、色あせることなく、つややかさを保っています。館内の装飾や展示物からも、その栄華が漂います。館内では、稲庭うどんなどのお土産物も販売されています。
見学時間:漆蔵資料館9:00〜17:00
定休日:月曜日、年末年始ほか
見学料:無料
※要予約、国登録有形文化財
【4】山吉肥料店
明治大正時代に養蚕業で財をなして建てた山吉家の蔵は、増田町で一番新しく大きい蔵。昭和18年に造られた台所は、今も現役です。こちらの蔵は、吉永小百合さんのテレビCM『大人の休日俱楽部』や、草刈正雄さんのTV番組『美の壺』でも放送されています。
蔵内部は非公開ですが、漆喰を守るための漆塗りの木枠など、繊細な組子の意匠が秀逸です。土間を通り抜け、裏門まで案内して頂けます。
見学時間:9:00~16:00
定休日:不定休
見学料:200円
※要予約
【5】日の丸醸造
1689年(元禄2年)創業の醸造元で、現在の主力ブランド「まんさくの花」は、全国はもちろん、海外にも輸出されています。前蔵、中蔵、米蔵など多くの蔵を持ちますが、こちらで見学できるのは、1908年(明治41年)建築の文庫蔵。総漆塗りで、1尺間隔に青森ヒバの通し柱が配された、豪華で斬新なデザイン装飾に目を見張ります。
見学時間:10:00~16:00
定休日:土日祝日
見学料:200円
※予約要、国登録有形文化財
【6】旧石平金物店 / 観光物産センター蔵の駅
明治大正期に金物商などを営んでいた石平家より横手市に寄贈された建物で、現在は蔵の駅として、増田町の観光案内所兼物産販売所を兼ねています。こちらでも『大人の休日俱楽部』が撮影されており、吉永小百合さんの立ち位置まで印付けされていますので、吉永さん気分で撮影ができますよ。ちなみにこちらにはトイレが設置されています。
見学時間:9:00~17:00
定休日:12/29~1/3
見学料:無料
※予約不要