誰しも一度は、日本の平均年収を調べたり、自分の年収が同じ年代の人と比べてどのくらいの水準なのかを調べたりした経験はあるでしょう。ただ最近はグローバル化が進み、外資系の企業も日本に進出しています。
そう考えると、日本だけでなく、世界の中で日本の平均年収がどのくらいの位置にあるのか気になりませんか?そこで今回は、世界の平均年収ランキングから見る日本の現状について紹介します。
第1位はルクセンブルク!日本は?
OECD(経済協力開発機構)が公表する世界の年間平均賃金調査をもとに、2019年の平均年収ランキングを読み解いていきましょう。
調査対象全35ヵ国のうち、世界でもっとも平均賃金が高い国は、ルクセンブルクで6万8,681米ドル(約754万円)となりました。2位はアイスランドの6万8,006米ドル(約747万円)、3位はスイスの6万6,567米ドル(約730万円)で、OECD全体の平均は4万8,587米ドル(約533万円)でした。
主要先進国と呼ばれるG7の中では、唯一アメリカだけが上位10ヵ国中4位に入っています。ちなみに、日本は24位で3万8,617米ドル(約424万円)です。
平均家計純資産はどうなっている?
平均賃金が多い国は家計の純資産も多いのでしょうか?今回使用する純資産とは、預貯金や株式などの金融資産と家や車、貴重品などの非金融資産を含めた総資産から、ローンなどの負債を引いたものです。
こちらもOECDの調査をもとに見ていくと、ルクセンブルクは同じく1位で76万9,053米ドル(約8,448万円)、アイスランドは5位で47万3,315米ドル(約5,199万円)、スイスは4位で50万1,040米ドル(約5,504万円)でした。
OECD全体の平均家計純資産は40万8,376米ドル(約4,486万円)なので、平均賃金が高い国は、家計純資産も多い傾向にあります。ちなみに、平均賃金で24位だった日本の家計純資産は、30万5,878米ドル(約3,360万円)で12位でした。
日本の総合評価は?
ここでは、OECDの日本に対する総合評価を見ていきましょう。OECDは、世帯が税金などを支払ったあとに、実際に商品やサービスに支出できるお金を「1人当たりの平均世帯純調整可処分所得」として表しています。
日本における1人当たりの平均世帯純調整可処分所得は、年間2万9,798米ドル(約327万円)で、OECD平均の3万3,604米ドル(約369万円)と比べても低いのです。さらに、経済的や社会的地位に関係なく収入が平等であるかを示す「社会的不平等」のスコアランキングでは、調査対象となった39ヵ国中26位と比較的下位となっています。
これらの調査から、日本は世界の国と比べると、平均年収も平均家計純資産も平均値以下で、比較的不平等さが残っている国であることがわかるのではないでしょうか。