最新設備が充実した綺麗なリゾートホテルで、快適に過ごすことが当たり前になりつつある令和の旅のスタイル。今回は、そんなスタイルに一石を投じる「ちょっと懐かしくて」「ちょっと不自由で」だからこそ刺激的で面白い、そんな滞在を演出してくれる日間賀島の旅館中平(なかへい)をご紹介します
旅館中平(なかへい)で昭和ノスタルジーな滞在が面白い理由
まずは、こちらの旅館に滞在するからこそ味わえる面白さについてご紹介します!
カオス!風情溢れる玄関!
旅館内に一歩入った瞬間、一気に昭和にタイムスリップさせてくれる玄関のインテリアが素晴らしい!最近では、モノが少なくてさっぱりした空間が「洗練」という名のもともてはやされているということに、ハッと気付かされる、昭和のカオス溢れる空間です。
壁に貼られているのはオシャレな名画などではなく、芸能人のサイン色紙。古い壁時計が心をくすぐります。玄関にはその他、おかみさん手作りの小物類などが所狭しと並び、見ているだけですっかり中平ワールドに没入していきますよ。
小ぢんまりとした生け簀では、夕食でお腹に入ってくれる予定のお魚たちが静かに休憩しています。
大クセ有ります!思い通りにいかないお風呂!
中平には大小2つの貸し切り風呂があり、館内では通称「おおぶろ」「こぶろ」と呼ばれています。こちらの写真が「こぶろ」の様子。
中平を味わい尽くしたいのなら、この「こぶろ」を経験しなくては始まりません。まず、一人用のような小さな丸い湯船ですが、入ると意外と深い!肩までしっかりと浸かって旅の疲れを癒しましょう。チェックイン時間の直後はものすごく熱い湯温に設定されていますが、時間が経つとともにほどよい湯温になってきます。
そして湯舟と同様にこぢんまりとした洗い場のシャワーは、温水と冷水の量を手動で微調整するタイプなので、一筋縄ではいきません。突然熱いお湯が出たかと思ったら冷え冷えの水が出たりと、アトラクション感満載です。
ちなみに脱衣所はプールの脱衣所のようなすのこを敷いてあったりと、とことん非日常を味わうことができる浴室となっています。
大人だけなら絶対「こぶろ」を体験していただきたいのですが、小さな子供と一緒に入浴する場合は「おおぶろ」がおすすめです。
「おおぶろ」には写真のように立派な脱衣所とカゴもあり、浴槽は3人は余裕で入れる大きさで、体に良いといわれている光明石まで入っているのでよく温まります。
シャワーの温度もワンタッチで調整してくれるタイプなので、子供も安心して浴びることができますよ。
貸し切り風呂のシステムとしては、基本的には空いていたら入れるという完全自由式ですが、込み合う時間にはお風呂の前に御年90余歳の大女将さんが座っていらっしゃって、ゆるく割り振りしてくれたりもします。
快適さを求めるのなら「おおぶろ」がおすすめですが、旅にちょっとした刺激を求めるのなら断然「こぶろ」がおすすめです。
眺望良し!民家フロントビュー!
離島での宿泊と言えば、オーシャンフロントが人気ですが、ここ中平では珍しい民家フロントビューを楽しむことができます。
民家ビューと言っても見えるのはアパートやマンションなどではなく、昔ながらの漁村の風景が素晴らしいのです。車の音もほとんどしない静かな、入り組んだ路地で休む野良ネコを眺めながら、「ああ、島に来たなぁ」なんてしっとりと旅情に浸る、そんな島時間を過ごしましょう。
ちなみにこちらのベランダには物干し竿や洗濯バサミなども一通りそろっているので、濡れた水着やタオルを自宅同様にしっかりと干すことができますよ。