福岡と長崎に挟まれ「一生行くことがない県」と言われる佐賀。「佐賀県」と聞いて頭に浮かぶのは、大多数の方が「がばいばぁちゃん」や、佐賀県をテーマにした芸人はなわの歌のフレーズ「SAGA(エス・エー・ジー・エー)」でしょうか?(古っ!笑)でも実は歴史的にもすごいポテンシャルを秘めた県なんです。知ってみればきっと「へぇ~。一度行ってみたいな」と思うはず。そんな佐賀県の魅力をたっぷりお伝えしていきたいと思います。今回の記事では、佐賀県の代表的なスポットをご紹介します。

幕末は若き藩主によりどこよりも早く近代化

江戸末期に17歳の若さで第10代肥前国佐賀藩主となった鍋島直正は、長崎で西洋の軍事技術を目の当たりにし、逼迫した財政の改革や、将来的な人材教育を手始めに、日本初の大砲の製造や蒸気船の開発などに着手。まだ火縄銃が主流の時代に、近代化の最先端を行く県でした。

東京の「お台場」という地名はペリーの再来に備え、大砲を置くための台場に由来しています。この時の大砲は佐賀藩が造ったものでした。

①佐賀城本丸歴史館(佐賀市)

鍋島氏の居城だった佐賀城は、明治時代初期に起こった佐賀の乱によりほとんどが焼失。現在残っているのは鯱の門と続櫓のみで、国の重要文化財に指定されています。

佐賀城本丸歴史館は、その佐賀城跡に本丸御殿の一部を忠実に復元した歴史館で、木造復元建物としては日本最大級の2,500平方メートル。

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(画像=photo-ac.com 復元された本丸御殿。320畳の大広間はもちろん、廊下も全て畳敷き、トリップノートより引用)

②世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」三重津海軍所跡(佐賀市)

鍋島直正が大砲の製造と同様、どこよりも早く開発に力を入れたのが蒸気船でした。最近になって佐賀藩の海軍所跡地で洋式船の補修・製造を行った国内最古の施設の遺構が発見されましたが、空気にさらされると風化してしまうため、地中に埋もれたまま。当時の様子は再現したVR(バーチャルリアリティ)で見ることができます。

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(画像=hithit 一見何もありませんが、れっきとした世界文化遺産なんです、トリップノートより引用)

そのたたずまいはエキゾチックでダイナミック

佐賀県の象徴とも言える建造物が鹿島市の祐徳稲荷神社と武雄市の武雄温泉楼門です。どちらも朱に近い赤が印象的で、異国情緒を感じさせる雰囲気とひと目見ただけで記憶に残るユニークなフォルムは、時代を超えて愛されています。

③祐徳稲荷神社(鹿島市)

京都の伏見稲荷、茨城の笠間稲荷とともに日本三大稲荷に数えられていますが、そのたたずまいは他の稲荷とは全く違った趣です。豊かな色彩はどことなくエキゾチック、山肌にそびえたつ姿が清水の舞台を彷彿とさせるダイナミックさを持ち合わせたお稲荷さんは、一見の価値ありです。

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(画像=asobo-saga.jp 神殿、拝殿、楼門は全て朱色の漆塗りで豪華絢爛。タイ人観光客に大人気、トリップノートより引用)

④武雄温泉の楼門と新館(武雄市)

佐賀県出身で東京駅舎を手掛けた建築家、辰野金吾の作品。「東京駅構内のなぜか足りない4つの干支のモチーフが、実はこの楼門2階の天井にあった」というミステリーが一時有名になりましたが、ミステリーはそれだけではなく、約100年前の設計図によると、この楼門は当初3つ建てられる計画だったのですが、資金不足でひとつだけになったのだとか。

昔は裏山に遊園地もあったそうで、辰野金吾はきっと竜宮城のようなテーマパークを造ろうとしたのではないか?と噂されています。

敷地内には3つの共同浴場(元湯、蓬莱湯、鷺乃湯)と貸切湯(殿様湯や家老湯など)もあるので、手軽に温泉も楽しめます。

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(画像=hithit 武雄温泉のシンボル楼門。毎週日曜には朝市も開催されます、トリップノートより引用)
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(画像=hithit 昔はこの建物の中にも浴場がありました。今は陶芸教室と土産物屋さんがあります、トリップノートより引用)

とにかく自然が美しい

あまり知られていないということは、人間に侵されていないということ。地元の人たちにとっては見慣れた当たり前の風景なので「どこが珍しいの?」と不思議がられてしまうのですが、四季折々の美しい景色が県内のあちこちにあります。ここで代表的なものをご紹介します。

⑤大楠(武雄市内)

佐賀県内には大楠をはじめとする巨木がいくつもあって、木自体はもちろん、その木を囲む周辺の街並みにも脈々と受け継がれてきた歴史を感じることができます。武雄の大楠の他に、塚崎や川古にも大楠があり、どれも数千年を生き抜いてきた楠たちの姿は圧巻です。

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(画像=welcomekyushu.jp 樹齢推定3000年以上と言われる武雄の大楠は武雄神社のご神木でパワースポットとして有名、トリップノートより引用)

⑥御船山楽園(武雄市)

元お殿様の庭園だったところで、ミシュランガイドにも掲載された宿泊施設竹林亭が隣接します。

春は桜、初夏にはつつじや藤、夏は竹あかりとプロジェクションマッピング、秋は紅葉、冬は雪景色と、1年を通して楽しむことができる場所になっています。

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(画像=photo-ac.com、トリップノートより引用)
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(画像=hithit 毎年7月中旬から開催される「納涼竹あかり」とプロジェクションマッピング、トリップノートより引用)

2017年は10月上旬までの日程で、「かみさまがすまう森のアート展」と題したイベントが開催されています。

資生堂 presents チームラボ かみさまがすまう森のアート展
2017年7月14日(金)~10月9日(月)
大人1600円、中高生1200円、小学生800円、未就学児無料

⑦馬場の山桜(武雄市)

小高い山の上にぽつんと立つ、樹齢推定120年の山桜とそれを囲む一面の菜の花はみごとです。近年人気急上昇のスポットの一つ。

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(画像=hithit 入場料など一切ありません。車でしか行けませんが駐車場がないので長居不可、トリップノートより引用)

⑧海中鳥居(太良町)

その昔、沖の島に置き去りにされた悪代官が大魚に助けられ生還したという伝説がある「大魚神社」の鳥居。潮の満ち引きによって様々な表情を見せてくれます。

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(画像=hithit 写真:野田尚之氏、トリップノートより引用)
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(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

⑨浜野浦の棚田(玄海町)

泣きたくなるほど美しい夕焼けが棚田に反射するマジックアワーは、狙ってもなかなか見られない貴重な景色。

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(画像=photo-ac.com まるで鏡のように見えるのは田んぼに水がはられた一時期だけ、トリップノートより引用)

⑩七ツ釜(唐津市)

九州北部の日本海は、想像以上に水が青く澄んでいてとても美しい。遊覧船も運航しています。

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(画像=asobo-saga.jp 玄界灘の荒波にさらされ浸食されてできた洞窟が7つあることから七ツ釜、トリップノートより引用)

⑪九州佐賀国際空港へ向かう道(佐賀市内県道49号線)

地平線を見渡すことができる一面の田畑の真ん中を、まっすぐどこまでも続く道路は「ここ日本?」と思ってしまうほど。毎年5月下旬には、黄金色の麦秋と青い稲のコントラストが美しい、佐賀ならではの風景が見られます。

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(画像=hithit、トリップノートより引用)

焼き物と温泉ははずせないアイテム

有田は日本で初めて磁器が焼かれた場所。2016年に400周年を迎えました。有田町を中心に唐津焼、武雄焼、長崎の波佐見焼とたくさんの窯が点在していて、焼き物好きにはたまらない地域。毎年ゴールデンウィークに開催される陶器市は、日本中から訪れる人々で賑わいます。

⑫陶山神社(有田町)

陶祖・金ヶ江三兵衛 (通称:李参平) が祀られている陶山神社は、鳥居や狛犬などが全て磁器で作られているこの町ならではの珍しい神社です。

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(画像=hithit、トリップノートより引用)
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(画像=hithit、トリップノートより引用)